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2023/03/14
口腔乾燥症(ドライマウス)とは?症状や原因、治療法を紹介

口の中の乾燥が気になったり、水を飲んでものどが渇いたりする場合、「口腔乾燥症(ドライマウス)」かもしれません。「口が乾燥しているだけ」と口腔乾燥症を軽視していると、裏に隠れている病気に気がつかなかったり、重症化したりすることがあります。 今回は、口腔乾燥症の症状や原因、治療法、セルフケアについて解説します。口腔内の乾燥が気になっている人は、重症化する前に対処しましょう。
目次
口腔乾燥症(ドライマウス)とは?
口腔乾燥症とは、だ液の分泌量が少なくなることで、口の中が乾いた状態になっていることで、「ドライマウス」とも呼ばれています。 また、広い意味での口腔乾燥症については、だ液がある程度分泌されているものの、口が乾いていると自覚している場合も含まれます。だ液の分泌量にかかわらず口の乾燥が気になる場合は、口腔乾燥症を患っている可能性があるでしょう。
口腔乾燥症(ドライマウス)の症状
口腔乾燥症の症状には、口の中の乾燥以外にもさまざまなものがあります。具体的には以下のような症状です。
症状が進行し口腔内に強い痛みを伴っている場合は、食事ができない、眠れない、会話がしづらいといった症状もあらわれます。

口腔乾燥症(ドライマウス)の原因
口腔乾燥症の原因には過剰なストレスや加齢、口呼吸、病気、薬によるものなどが考えられます。口腔乾燥症を引き起こすリスクがある病気や薬の一例としては、以下のようなものがあります。
口腔乾燥症(ドライマウス)の治療法
口腔乾燥症の治療法は、主に原因療法と対症療法の2つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
原因療法
原因療法とは、口が乾燥してしまう原因そのものを取り除く治療です。糖尿病など口腔乾燥症の原因となる疾患が明確になっている場合は、その疾患の治療を優先します。 薬物治療による副作用で口腔乾燥症が出現していると考えられる場合は、薬剤の変更や減量などを行い、症状に変化があるかを確かめます。 原因がストレスの場合はストレスに対する治療を、口呼吸であれば鼻呼吸を習慣づける指導を行うことも有効です。
対症療法
対症療法とは、乾燥や痛みを和らげるための治療です。まずは、人工だ液や保湿ジェルなどを使って、口腔内を保湿します。口腔内の乾燥に効果がある漢方薬を使う場合もあるでしょう。 さらに、だ液の分泌量を増やすための「唾液腺刺激療法」も効果的です。具体的には、ガムを噛む習慣をつけたり、唾液腺のマッサージを行ったりする方法があります。

自分でできる口腔乾燥症(ドライマウス)の対処法
医療機関で治療を行うことも大切ですが、自宅でセルフケアを行うことでより症状が緩和しやすくなります。ここでは、自分でできる対処法について見ていきましょう。
唾液腺のマッサージ
先にも述べたように、唾液腺のマッサージは、口腔乾燥症の症状を緩和できるセルフケアのひとつです。口周辺にある唾液腺のマッサージをすることで、だ液の分泌を促します。 マッサージをする部分は、以下の3か所です。
それぞれを5~10回くらい刺激するとだ液の分泌が促進されます。
舌のストレッチを行う
舌のストレッチを行うことも、だ液の分泌を促す効果的な方法です。
- 1.舌を突き出したり、引っ込めたりする
- 2.舌を前に出して、上下に動かしたり左右に動かしたりする
- 3.舌で左右の頬を交互に押す
一連のストレッチを何回か繰り返すと、だ液の分泌を実感できるでしょう。歯磨きの前や食事のあとなど、舌のストレッチを行うタイミングを決めると、習慣化しやすくなります。
咀嚼を意識する
だ液の分泌量を増やすには、よく噛んで食事をすることも大切です。噛む回数が増えるほどだ液の分泌も促されるため、しっかりと咀嚼を意識しましょう。 また、やわらかい食材だけでなく、固い食材を食べるようにするのも咀嚼回数を増やすコツです。食事をするときは、だ液が分泌されやすいように、咀嚼や食べる食材を意識すると良いでしょう。
▶噛むことと健康の関係については、次の記事をご覧ください。 【関連記事】口元の老化を防ぐ? 噛むことと健康の関係とは

口腔乾燥症(ドライマウス)が気になったら
口腔乾燥症には、原因がはっきりしており治療法が明確なケースもあれば、ストレスや加齢など根本的な治療が難しいケースもあります。また口腔乾燥症だと思っていたら、実は糖尿病だった、シェーグレン症候群だったなど、思わぬ疾患が隠れていることもあるでしょう。 口腔内の乾燥が気になるのであれば、一度、医療機関を受診して原因を確かめておくと安心です。
筆者:seeker編集部