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2023/08/08
お口の健康はたんぱく質で決まる!お口の健康に大切な栄養素

お口の健康を考えたときにまず思い浮かべる栄養素は、カルシウムではないでしょうか。歯を丈夫にするには、牛乳やヨーグルトなどでカルシウムをたくさんとった方がよいと聞いたことがある人は少なくないでしょう。 もちろん、歯を作るためのカルシウムをしっかりと摂ることは大切です。しかし、その他の栄養素についても、バランスよく摂ることがお口の健康につながります。 今回は、お口の健康とたんぱく質の関係を解説するとともに、良質なたんぱく質を含む食品や、お口の健康に関わるたんぱく質以外の栄養素についてお伝えします。
健康なお口とたんぱく質の関係
たんぱく質は、歯茎や歯根膜、歯の象牙質などお口周りの組織を構成する重要な成分の1つです。そのため、口腔内に炎症などが起こった場合、修復にはたんぱく質が必要になります。 例えば歯肉炎になった場合、丁寧な歯磨きに加え、症状によっては歯科治療が必要ですが、同時にたんぱく質を意識した食事を摂ることで、歯肉炎の状態が改善しやすくなります。 つまり、たんぱく質を十分に摂取している人とそうでない人では、炎症が起きたときに歯茎や歯根膜などを再形成するスピードに違いが出るということです。お口のトラブルがあるときほど、たんぱく質を意識した食事を摂ることが大切です。

お口の健康に関わる良質なたんぱく質とは?
たんぱく質には、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質があり、動物性たんぱく質はアミノ酸スコアが高いといわれています。ここでは、良質なたんぱく質の指標になる「アミノ酸スコア」について解説します。
アミノ酸スコアとは?
アミノ酸スコアとは、食べ物に含まれるたんぱく質と必須アミノ酸のバランスを示す指標です。必須アミノ酸とは、体内で作れないアミノ酸のこと。約20種類あるアミノ酸のうち、9種類は体内では作り出せません。 必須アミノ酸が多いほどアミノ酸スコアは高くなります。必須アミノ酸は体に欠かせない栄養素であるため、アミノ酸スコアの高い食品は良質なたんぱく質といえるでしょう。
「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」
たんぱく質には、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質があり、アミノ酸スコアは植物性たんぱく質よりも動物性たんぱく質の方が高い傾向にあります。 基本的に、動物性たんぱく質はアミノ酸スコアが100で、植物性たんぱく質は100以下となっています。

※参考:アミノ酸スコアとは?
アミノ酸スコアの高いものを摂ることは大切ですが、肉や魚ばかりを食べると、ビタミンや食物繊維といった栄養素が不足しやすくなります。 たんぱく質以外の栄養素を摂ることも、お口の健康には大切です。たんぱく質を多く含む食品を意識しながら、バランスの良い食事を心がけましょう。
お口の健康に大切なたんぱく質以外の栄養素
健康な歯や歯茎を作るためには、カルシウムやたんぱく質のほかに、ビタミンも大切です。ここでは、お口の健康に役立つビタミンD、ビタミンA、ビタミンCについて見ていきましょう。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。食べ物から摂取したカルシウムは小腸から吸収されますが、このとき必要な栄養素がビタミンDです。もしビタミンDが不足すると、カルシウムが十分に吸収されない可能性があります。
ビタミンA
ビタミンAはエナメル質を作る栄養素です。エナメル質とは、歯の一番外側にある組織のこと。エナメル質を強化することは、虫歯予防にもつながります。
ビタミンC
ビタミンCは、象牙質や歯茎を作るほか、カルシウムの吸収を高める効果のある栄養素です。象牙質とは、エナメル質の内側にある組織で、歯の神経に近い部分です。ビタミンCを摂取することは、強い歯を作るための土台となります。 また、ビタミンCが持つ抗酸化作用による免疫力アップで、歯周病予防も期待できます。歯茎の構成成分であるコラーゲンの生成にもかかわる大切な栄養素です。
▶歯を丈夫にするための食事については、次のコラムをご覧ください。 歯を丈夫にするための食事ってどんなもの?

良質なたんぱく質で健康なお口を!
良質なたんぱく質を摂ることはお口の健康を保つために大切です。いつもの食事にたんぱく質が足りていないと感じる場合は、意識して摂るようにしましょう。 また、たんぱく質以外の栄養素もお口の健康には欠かせません。バランスの良い食事を心がけ、お口の健康を守りましょう。
筆者:seeker編集部