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2024/07/11
小児矯正は意味がない?始める時期やメリット、費用について解説
子どもの歯並びが悪いと感じている方の中には、「小児矯正すべき?」「小児矯正って意味あるの?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
小児矯正の効果や適切な開始時期、費用についてくわしく知らないと、本当に始めていいのか不安に感じてしまうのは当然です。
本コラムでは、小児矯正と成人矯正の違いや、小児矯正のメリット・デメリット、治療期間や費用について解説します。
成人矯正との違い
小児矯正と成人矯正では、対象年齢が異なります。小児矯正は5歳~6歳ごろから始めるのに対し、成人矯正は、永久歯が生えそろい顎の骨の発育が完了した12歳以降に開始します。
成人矯正の治療開始時期に年齢制限はなく、歯や歯茎、顎の骨に問題がなければ高齢になっても年齢に関係なく始めることが可能です。
また、小児矯正と成人矯正では、治療の目的も異なります。
小児矯正の主な目的は「顎の骨を正常に発育させる」ことです。顎の骨の発育を促すことにより、将来永久歯がきれいに並ぶ土台を作ります。
一方、成人矯正の目的は「歯の傾きや位置を整える」ことです。顎の発育が終わってから行うため、骨格的な矯正を行うことはできません。状況によっては、すでに生えている健康な歯を抜いて並びを調整することが必要です。
治療費用は症例によって異なりますが、一般的に小児矯正は成人矯正より価格が抑えられる傾向にあります。費用については記事後半でくわしくお伝えします。
矯正治療の種類については、次のコラムをご覧ください。
小児矯正によるメリット
小児矯正をするメリットはいくつかあります。ここでは以下の2つのメリットを紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
歯が動きやすい
小児矯正のメリットとして、歯が動きやすいことが挙げられます。成長期にある子どもの顎や関節は柔らかいので歯が動きやすく、治療が大人に比べてスムーズに進むことが多いです。
大人であれば抜歯の必要がある症例も、子どもであれば不要である可能性が高いでしょう。
抜歯の痛みがない分、成人矯正と比べると心身の負担は軽い傾向にあります。
顎を広げやすい
顎を広げやすいことも小児矯正のメリットです。小児矯正の時期は骨が成長段階にあるので、これを利用して顎を広げることができます。 歯の並び方だけを変えるのではなく土台から大きくすることで、永久歯がきれいに並ぶスペースを作れます。
小児矯正によるデメリット
小児矯正は子ども本人よりもご家族の意向で始めることが多いため、子どもによっては心身の負担を感じることがあります。子どもの気持ちを尊重し、無理のない範囲で治療を進めることが大切です。
また、小児矯正で使う矯正装置はいくつかありますが、特に取り外しができない装置を使う場合は、虫歯や歯周病にも注意が必要です。
矯正装置があると歯磨きが難しいため、ご家庭でもサポートしてあげましょう。歯ブラシ以外にデンタルフロスやタフトブラシ、歯間ブラシなども活用し、矯正装置と歯との隙間の汚れをしっかりと落とすことを意識しましょう。
小児矯正の費用や期間
ここからは小児矯正の費用や期間について見ていきましょう。
費用
小児矯正にかかる費用は10万円~50万円程度が目安です。
矯正治療は基本的に自費診療であるため、高額になりやすいです。歯科医院によっても差があるため、あらかじめ相場感を調べておくといいでしょう。
費用に幅があるのは、使う器具や治療の内容によって費用が異なるからです。小児矯正は治療の種類も豊富なので、子どもの症状や治療方法により大きく変動します。
期間
小児矯正にかかる期間は、歯の症状により異なりますが、一般的には1年~4年程度が多いようです。
治療を始める適切な時期についても、個々の状況によって大きく変わります。一般的には5歳~6歳くらいから始めるのが良いとされていますが、受け口の症状が強い場合などは、3歳くらいから治療を始めることもあります。
子どもの歯並びに気になる点が出てきた時点で、早めに歯科医に相談するようにするとよいでしょう。
まとめ
小児矯正は、成長期を利用して顎のバランスを整えたり、美しい歯並びを実現するための土台を作るための治療です。子どもの歯並びや顎の発育に気になる点があれば、早めに専門の歯科医に相談することをおすすめします。
筆者:seeker編集部