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投稿日:2025/11/06
更新日:2026/02/26
シリコン入れ歯とは?メリット・デメリット・費用・寿命まで徹底解説
自分の歯のように違和感なく入れ歯を使いたい人の間で注目されているのが「シリコン入れ歯」です。シリコンという柔らかい素材を用いているのでフィット感が高く、自然な見た目を実現できるのも魅力です。
この記事では、シリコン入れ歯のメリット・デメリット、費用や寿命、お手入れ方法まで詳しく解説します。
目次
シリコン入れ歯とは?
シリコン入れ歯とは、プラスチック製の入れ歯の内側に柔らかいシリコン素材を加工して作られる入れ歯のことです。
シリコンは弾力があるため歯ぐきに密着しやすく、外れにくいのが特徴です。噛んだときの痛みも少なく、従来型の入れ歯で悩んでいた人の負担を軽減する手段となります。
また、一般的な部分入れ歯は、残っている歯(支台歯)にクラスプと呼ばれる金属製のばねを引っ掛けて入れ歯を支える仕組みです。クラスプは銀色で見た目が目立つ、長い期間使用すると支台歯に大きな負荷が掛かる恐れがあるなどのデメリットがあります。
しかし、シリコン入れ歯は部分入れ歯であってもクラスプを使用しません。そのため残った歯に負担をかけることが少なく、自然な口元を保てる点も大きな特徴です。
シリコン入れ歯のメリット
シリコン入れ歯には、見た目の自然さや装着時の快適さなど、従来型の入れ歯にはない利点があります。ここでは、具体的な4つのメリットをご紹介します。
審美性が高い
シリコン入れ歯は見た目が自然で、入れ歯をしていることが周囲に気づかれにくいのが特徴です。部分入れ歯では金属のバネを使わず、歯ぐきと同じような色の留め具を使うので、笑ったときに入れ歯と気づかれる心配が少ないです。
特に前歯に部分入れ歯を入れる場合でも、自然な口元を保てるため、口元の印象を大切にしたい人に向いているといえるでしょう。
装着時の不快感が少ない
一般的なプラスチックの入れ歯は硬く、装着時に痛みを感じることがありますが、シリコン入れ歯は歯ぐきに当たる部分に柔らかい素材を使うため、やさしくフィットします。噛んだときの圧力が分散されて、口の中の痛みや違和感が少なくなります。
食事や会話のときも入れ歯をしていることを忘れられるほど自然な装着感を得られる人も多く、長時間使用しても負担が少ない点が大きなメリットです。
安定性が高く外れにくい
シリコン入れ歯は歯ぐきにしっかり密着するので、外れにくく安定しているのも特徴です。
従来型の入れ歯で「ずれて外れやすい」「会話中に動く」と悩んでいた人でも、シリコン入れ歯なら安定感が得られます。
外れにくいので食事や会話を安心して楽しめることにつながり、日常生活のストレスを減らします。
手術が不要
入れ歯の中には外科的な手術が必要なものもありますが、シリコン入れ歯はそうした処置を行わずに装着できます。高齢の人や持病のある人、手術に抵抗がある人でも治療を受けやすい点が利点です。
入れ歯を作る工程は型取りや調整が中心で、歯を削ったりする必要もないため、体への負担が少なく済みます。

シリコン入れ歯のデメリット
シリコン入れ歯は快適さや見た目の自然さにとても優れていますが、弱点もあります。ここでは、具体的な4つのデメリットをご紹介します。
費用が高い
シリコン入れ歯は保険が適用されないため、すべて自費での治療となります。そのため保険診療のプラスチック製の入れ歯に比べて、どうしても高額になってしまうことは避けられません。
部分入れ歯であっても10万円以上かかる場合があり、総入れ歯では数十万円に及ぶケースもあります。
素材の柔らかさやフィット感、見た目の自然さといった大きなメリットがある一方で、費用負担が大きくなる点をあらかじめ考慮しておく必要があります。
汚れがつきやすい
シリコンは柔らかく、食べかすや汚れが付着しやすい素材です。そのままにしておくと口臭や虫歯、歯周病の原因になることがあります。毎日のお手入れを怠ると、汚れが残って細菌が繁殖しやすくなります。
見た目が自然で装着感も快適なシリコン入れ歯ですが、ブラッシングや洗浄など日々のお手入れで清潔に保つ手間が必要です。
具体的な方法については「シリコン入れ歯の適切な手入れ方法」で詳しくご紹介します。
耐久性に劣ることがある
シリコンはプラスチックや金属に比べて劣化しやすい特徴があります。使用を続けるうちに素材がすり減ったり、弾力が失われて密着度が下がったりするケースもあり、さらに年数が経つとシリコン部分が剥がれるリスクも高まります。
そのため、一般的にシリコン入れ歯は2〜5年程度で新しいものに作り替える、もしくは張り替える必要が出てきます。
日々のお手入れを怠ると劣化が早まることもあるため、しっかりケアすることも重要です。
適切なお手入れ方法については「シリコン入れ歯の注意点」でご紹介します。
修理・調整が難しい場合がある
シリコン入れ歯は素材の特性上、一部だけの修理が難しく、割れたり欠けたりした場合に張り替えや作り直しが必要になることがあります。従来型の入れ歯のように簡単に補修できない点はデメリットです。
また、シリコン入れ歯の取り扱いに対応できる歯科医院はごく限られるため、修理や調整を行う場合には基本的に作製した歯科医院に依頼することが必要です。
こうした特徴から、長期的には費用や通院の負担が増えることが考えられます。
シリコン入れ歯にかかる費用
シリコン入れ歯は保険が適用されないため、すべて自費診療となります。部分入れ歯の場合は約10万~50万円程度、総入れ歯では40万~60万円程度が目安です。
費用の幅が大きいのは、使用する素材や設計方法、歯科医院ごとの料金設定に違いがあるためです。
通常のプラスチック製入れ歯に比べて高額ですが、柔らかい素材による快適さや自然な見た目といったメリットを重視して選ぶ人も多くいます。
実際にかかる費用は症状や治療内容によって変わるため、歯科医院で詳しい説明を受けて確認することが大切です。
なお、歯の状況や症状によってはシリコン入れ歯の費用は医療費控除の対象となる可能性があります。治療前に歯科医師に確認しておくとより安心できるでしょう。
シリコン入れ歯の治療にかかる期間
シリコン入れ歯の治療期間は、一般的に数週間から1か月程度が目安です。
まずカウンセリングから始まり、型取りを行い、噛み合わせや歯並びを確認したうえで製作が進められます。完成後には装着感を確かめながら微調整を行うため、数回の通院が必要です。
治療期間は口腔内の状態や残っている歯の本数によっても変わり、歯ぐきの状態が安定していない場合にはさらに調整に時間がかかることもあります。これは、より快適に使用するために必要なプロセスです。

シリコン入れ歯の寿命の目安
シリコン入れ歯の寿命は一般的に2~5年程度とされています。
シリコンという素材の特性上、長く使ううちに弾力が失われたり、部分的に剥がれてしまったりすることがあるためです。
また、シリコン部分は一部分だけの補修が難しいため、破損した場合にはシリコン部分全体の貼り換えや交換が必要です。
ただし、食生活や噛む力、日々の手入れの仕方によって実際の使用期間は変わります。適切なお手入れや定期的な歯科医院でのチェックを行えば、より長く快適に使い続けることが可能です。
また、医院によっては保証制度を設けており、シリコンが剥がれたり変質した場合に無償で修理を受けられることもあります。安心して使うためには、保証内容を確認しておきましょう。
シリコン入れ歯の適切な手入れ方法
シリコン入れ歯を長持ちさせるには、毎日の丁寧なケアが欠かせません。ここでは、清潔に保つための基本的なお手入れの方法をご紹介します。
毎食後に必ず洗浄する
シリコン入れ歯は素材の特性上、食べかすや汚れが付着しやすい傾向があります。食事をしたら必ず取り外し、流水で洗浄することが大切です。
ブラシを使う場合は専用の入れ歯ブラシを用い、強くこすらず優しく洗いましょう。
毎食後に清潔に保つことで、細菌の繁殖や口臭を防ぎ、入れ歯を衛生的に使い続けることができます。
入れ歯洗浄剤で一晩つけ置き
毎食後の洗浄に加えて、専用の入れ歯洗浄剤で一晩つけ置きしましょう。目に見えない汚れや細菌をしっかり落として、清潔な状態を保ちやすくなります。
コップなどの容器に水を入れ、洗浄剤を溶かしてから入れ歯を沈めましょう。就寝中に行えば生活習慣に取り入れやすく、朝にはすっきりと清潔な状態で使い始めることができます。
入れ歯洗浄剤を流水で洗い流す
入れ歯を一晩洗浄剤に浸けたら、朝使い始める前に流水でしっかり洗い流しましょう。洗浄剤の成分が残ったまま口に入れると、粘膜を刺激する可能性があります。
特にシリコンは薬剤を吸収しやすいため、念入りなすすぎが重要です。丁寧に洗い流すことで快適に使えるうえ、寿命を延ばすことにもつながります。
シリコン入れ歯の注意点
シリコン入れ歯を快適に使い続けるためには、日常の扱い方にも注意が必要です。ここでは特に気をつけたい4つのポイントをご紹介します。
中性タイプの洗浄剤を使用する
シリコンは酸性やアルカリ性に弱いため、入れ歯洗浄剤を選ぶときは必ず中性タイプのものを使用しましょう。
パッケージに「入れ歯専用」「中性タイプ」と明記されているか確認することが大切です。
中性タイプ以外の物を使用するとシリコン部分が変質し、寿命を縮める原因になります。
熱湯は絶対に使用しない
シリコンは高温に弱い性質を持っています。そのため熱湯の使用は絶対に避けなければなりません。
熱によって変形や劣化が起こり、シリコンの特性である柔らかいフィット感が失われてしまいます。
熱湯なら殺菌できそうだと使いたくなってしまいますが、洗浄やつけ置きをする際は、必ず常温の水またはぬるま湯を使用しましょう。
乾燥させすぎない
シリコンは乾燥しすぎるとひび割れや変質を起こす性質があります。使わないときは水に浸けて保管し、長時間空気中に放置しないようにしなければなりません。
特に就寝中は専用の容器に水を入れ、その中でつけ置きしましょう。適切に保管すれば、シリコン部分の柔らかさを長く維持できます。
定期的に歯科医院でチェックを
シリコン入れ歯は数年で劣化することが多いため、歯科医院での定期的な点検が大切です。噛み合わせや装着感に違和感があれば、早めに受診して調整してもらいましょう。
不具合があるまま使用すると、歯ぐきを痛める恐れがあります。また、定期検診を受ければ入れ歯の寿命を延ばせるだけでなく、口腔内の健康状態を守ることにもつながります。

まとめ
シリコン入れ歯は、見た目が自然で装着時の違和感が少なく、安定感のある入れ歯です。
手術を必要とせず装着できる一方、費用が高い、汚れやすい、修理が難しいなどの課題もあります。
寿命は2〜5年程度とされ、日々の適切なケアや定期的なチェックが長持ちのポイントです。
シリコン入れ歯を選ぶ場合は、特徴や注意点を理解し、自分に合っているか確認したうえで取り入れましょう。
筆者:seeker編集部
監修者・コメント
歯科医師
都内歯科医院勤務
三宅 友紀 先生
シリコン入れ歯は、歯ぐきに触れる部分に柔らかいシリコン素材を使用することで、痛みや違和感を軽減しやすい入れ歯です。金属のバネを使わない設計のため、見た目が自然で残っている歯への負担が少ない点も特徴といえます。
一方で、保険適用外の自費診療となり費用が高額になりやすく、素材の性質上、汚れやすさや耐久性には注意が必要です。快適に長く使用するためには、適切なお手入れと定期的な歯科医院でのチェックが欠かせません。
ご自身の口腔内の状態や生活習慣に合うか、歯科医師と十分に相談したうえで選択することが大切です。


























