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2020/05/26

冷たいものがしみる・痛い!知覚過敏の原因と仕組み

冷たいものが歯にしみる知覚過敏。あまり嬉しいものではありませんが、そんな知覚過敏は何故おきるのでしょうか?


知覚過敏とは

知覚過敏というのは、歯科医院に来院する患者さんの約4分の1程の方が訴えられてくる疾患といわれています。歯に水や空気が当たるとしみるなどの症状が知覚過敏症です。

温度、擦過(歯磨き)、浸透圧(甘い食べ物、飲み物)、乾燥、化学物質などの刺激によって、一過性の鋭い痛みが生じるのが特徴です。食事中にピリッと痛みが気になる、冷たいものがしみて食事が出来ないといったように、患者さんによって様々な症状を訴えるのが現状です。




知覚過敏の原因

知覚過敏の原因として、従来は歯ブラシを強く当ててしまうことや、一過性の冷温水痛、甘味痛などで発病すると言われていましたが、最近では、歯ぎしりなどで起こる“歯茎周りの欠損”やスポーツドリンクなどpHの低い飲料水を過剰に摂取することで起こる“胃酸の逆流”、口腔乾燥や歯周病などで“歯肉が退縮”してしまうことも原因の一つと言われています。




知覚過敏の仕組み

では、知覚過敏の仕組みについて簡単に解説します。

歯の表面には象牙質があり、その象牙質の表面には1㎟あたり2〜3万本の象牙細管の穴があります。 象牙細管の直径は約1μmで、本来ここは人間の体で最も硬い組織であるエナメル質で覆われていますが、上にあげた歯ブラシを強く当ててしまうことや歯周病などの様々な原因で、エナメル質が喪失すると象牙細管が露出してしまいます。 露出した象牙質面に冷たい水や歯磨きなどの刺激があると、象牙細管内の組織液がストローのような役割を果たしてしまい、神経を刺激し痛みとして感じるわけです。

知覚過敏が生じる仕組みについては昔から諸説唱えられてきましたが、1963年にBrannstromが提唱した上記の動水力学説が最も有力とされています。




知覚過敏へのリスクを減らすために

知覚過敏に対する完璧な予防策はありません。健康な歯でも加齢によってある程度は歯肉が退縮してしまいます。

そのため少しでもリスクを減らすには、歯の根部の象牙質の露出を防ぐために歯周病の予防に努めることと、歯肉の退縮が進みやすいような不適切な歯磨き方法をしないことです。かかりつけの歯科医院で歯ブラシの使い方などを指導を受けていただけたら、少し知覚過敏発症のリスクは少なくなります。

また、虫歯や歯に亀裂が入っている場合には、歯科医院で早くに治療をする必要があります。自分が知覚過敏であるのか、虫歯があるのかなどはなかなか分かりにくいので、早めの歯科医院で受診することをお勧めします。



■参考文献
日本臨床歯周学会
https://www.jacp.net/perio/about/
ザ・ペリオドントロジー 第2版 和泉雄一 木下淳博...



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筆者:seeker編集部

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