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2021/06/08

歯の溝を埋めてむし歯予防!シーラントの正しい使い方

奥歯には食べ物をすりつぶす役割があるため、表面には複雑な溝があります。飲み込める状態まで噛み続けるからこそ歯の表面に汚れがつきやすく、むし歯のリスクが高い歯といえるでしょう。

毎回の歯みがきできれいに汚れが落ちればなんの問題もないのですが、いかんせんそうはいかず、むし歯になってしまう奥歯。ここでは、奥歯のむし歯を防ぐために使用されるシーラントについて紹介します。


シーラントってどんな治療?

ただでさえみがきにくい奥歯は歯の溝が細かく歯ブラシを当てにくいため、食べカスや汚れがたまりやすい歯です。それなら、むし歯の原因になるデコボコをなくしてしまおう!と、レジンなどのプラスチック樹脂を流し込み、奥歯の溝を埋めるのがシーラント治療です。シーラントを流し込んだ歯は、デコボコがなくなりツルツルとした表面になります。その結果、汚れが溝にたまりにくくなるだけではく、歯みがきをした時に汚れも落ちやすくなるのです。

「歯の溝に詰める」と聞くと、むし歯治療で行われる詰め物のように歯を削るイメージがあるかもしれませんが、シーラントはもともとある歯の溝に流し込むだけ。歯を削ることはせず、痛みもありません。



フッ化物の効果とは?

シーラント材に含まれるフッ化物の持つ再石灰化作用も、むし歯予防に大きく関与しています。フッ化物による再石灰化作用とは、歯から溶け出したカルシウムイオンやリンイオンを歯に戻し、むし歯にならないように修復する作用のことをいいます。

シーラントは奥歯の溝を埋めることでむし歯から歯を守りながら、フッ化物の力で歯の質を強くし、初期のむし歯を修復する効果を見込める治療なのです。



生えたての永久歯のむし歯リスク

一般的に、シーラント治療は子供のむし歯予防として行われています。生えたての永久歯は歯の質が未成熟なことに加え、歯茎が被っていたり背が低かったりするため、とてもみがきにくい歯です。そのため、初期むし歯のリスクが高いといわれています。成長する中で唾液に含まれるカルシウムなどを吸収し強くなるのですが、その過程でむし歯にならないようにシーラント治療を行い、むし歯になるリスクを軽くします。



6歳から12歳の子供で、初期のむし歯と診断された乳歯か生えたての永久歯のみ、シーラントに保険が適用されます。歯が生えたタイミングを目安に歯科医院を受診し、歯をむし歯から守りましょう。



シーラントの注意点

シーラントは4年以上継続して治療することで約60%のむし歯予防効果が認められています。生えたての永久歯を守るためには、正しく理解し治療を行う必要があります。



1.シーラントは永遠ではない

シーラントは歯の溝を一時的に埋めるものであり、その効果は永久ではありません。歯が育つ前にはずれてしまうこともあるでしょう。もちを良くするために歯を削る詰め物とは違い、シーラントは歯を削ることはせず、噛み合わせが変わらないように樹脂を薄く流し入れて固めるだけです。その分取れやすく、破損しやすいということは否めません。

強く噛んだり歯ぎしりしたり、グミやガムのような歯にくっつきやすい食べ物を食べた時には要注意!意図せずはずれてしまうこともあります。そのため、定期的な検診を受け、はずれていたらすぐに処置できる環境を作っておきましょう。



2.むし歯のリスクはゼロにはならない

シーラントをしたといえど、油断はできません。シーラントで埋めることができるのは、歯の溝のみ。歯と歯の間や歯茎との隙間のむし歯リスクは変わらずあり、毎日のブラッシングが楽になるわけではありません。

また、シーラントで埋めた歯の表面は見えにくいため、むし歯になった時に発見が遅れてしまうこともあります。また、中途半端にはずれたシーラントをそのまま放置してしまうと、むし歯になりやすくなることもあります。むし歯を予防するためのシーラントがむし歯のリスクを高めることがないように、日常生活に支障がなくても定期検診は欠かさず受けましょう。



大人のむし歯予防にも

シーラントは主に子供のむし歯予防として、乳歯や生えたばかりの永久歯に行われることがほとんどですが、大人のむし歯予防にも使用することが可能です。

しかし、大人のシーラントはそれほどメジャーではありません。大人の歯は、子供に比べてすり減って溝が浅くなっていることが多く、実はシーラントを必要としないケースがあるのです。また、むし歯の治療がすでに行われている場合、シーラントを必要としません。



また、大人のシーラント治療は保険適用外であることが多いことも、大人には使用しない理由のひとつです。もし、歯ブラシの先よりも細かな溝がある場合などはシーラントの効果が期待できるかもしれないので、歯科医院で相談してみるといいでしょう。



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筆者:seeker編集部

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