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2021/06/30

歯が透けて見える!溶けている?酸蝕歯って何?

むし歯や歯周病に続いて、歯の寿命を縮めてしまう原因のひとつとされている酸蝕歯(さんしょくし)。聞いたことがない方も多いのではないでしょうか?

酸蝕歯とはどんな症状なのか、その原因や身体に与える影響、日常生活でできる予防方法や治療方法などをご紹介します。


酸蝕歯とは?【第三の歯科疾患】

酸蝕歯とは、きらっと輝く歯の表面にあるエナメル質から、リン酸カルシウムの結晶が溶け出している状態をいいます。この原因は『酸』です。いったいこの酸は、どこから発生しているのでしょうか。

日常生活で口にしている食べ物や飲み物などには、多くの酸が含まれています。例えば柑橘類・お酢・炭酸飲料などは、特に高い酸性度を持つ食品です。

身体の健康のために、柑橘類やお酢を摂り続けている方も少なくないのではないでしょうか。実は、健康のために続けているはずが、摂り方によっては酸蝕歯のリスクを高くしてしまいます。



また、身体の不調にも酸蝕歯の原因が潜んでいます。逆流性食道炎や摂食障害、妊娠中のつわり、食生活の乱れによる暴飲暴食が引き金となり、胃酸が逆流するという状態が続いていると、お口の中が酸性になる時間が長くなり、歯を溶かし酸蝕歯になることがあります。

最近では、酸蝕歯は生活習慣病のひとつと考えられ、むし歯、歯周病につぐ【第三の歯科疾患】として注目されています。



酸蝕歯の症状

お口の中で酸にさらされている歯は、歯の表面にあるエナメル質がやわらかくなり、溶けだしやすくなっています。歯のエナメル質の表面がやわらかくなっている時に、硬い食べ物をガリガリ噛んだり毛の硬すぎる歯ブラシで力強くみがいたりすると、エナメル質が徐々に薄くもろくなってしまいます。

また、歯を食いしばったり歯ぎしりをしたりし歯に強い力がかかると、歯が押され削れやすくなってしまいます。ひどくなると、エナメル質の内側にある組織、象牙質がむき出しになってしまうこともあるのです。

なんとなく熱いものや冷たいものがしみる気がする、歯の角が丸みをおびて見える、歯が黄色っぽく見えるなどの症状は、酸蝕歯の初期症状かもしれません。



酸蝕歯の初期症状が進行すると、歯の厚みがなくなり歯の先端が薄くなってしまったり、過去に治療した詰め物に隙間ができてはずれてしまったり、もしくは熱いものや冷たいものが常にしみてしまう知覚過敏や歯の表面につやがなくなりくぼみができてしまうなどの症状が徐々に現れてきます。

歯の表面のエナメル質が溶けると、溶けた場所からだんだんとむし歯になってしまうこともあります。いずれも進行がとてもゆっくりなので、自分で気付くのは難しい場合もあります。



予防方法

酸性度の高い飲み物や食べ物は、身体に良いといわれることがあります。酸蝕歯になってしまうからといって、それらを一切摂らないようにするのではなく、飲んだり食べたりする方法の改善から始めてみてはいかがでしょうか。

まずは、酸性度の高い食品の摂取回数を減らすことです。そして毎日の食事はもちろん、スポーツ中の水分補給なども含め、酸性度の高い飲料を摂取した後は、お水でうがいができるような環境を作るといいでしょう。そうすることで、お口の中が酸性に傾く時間を減らすことができ、身体に良いとされる食習慣も続けることができます。

もし、外出が多くうがいや歯みがきがしにくい生活をしている場合は、就寝前に酸性度の高い食品を控えるよう心掛けましょう。そして歯をみがく時には、エナメル質を強化するためにフッ素配合の歯みがき剤や毛のやわらかい歯ブラシで行うことをおすすめします。

また、だらだら食べてしまう習慣の見直しや、飲み物を飲む時はストローを使うなど、お口の中に酸を停滞させないことも大切です。

前の章で言及した逆流性食道炎や摂食障害などの疾患がある方は、治療そのものが酸蝕歯の予防につながります。




酸蝕歯の治療方法

歯が透けてしまったり、歯質が弱くなったりしている場合は、歯質を守り再石灰化を促す薬剤を歯に塗り固め、歯をコーティングする治療方法がとられることがあります。

また、歯に穴が開いてしまったり欠けてしまったりしている場合は、むし歯治療同様にレジンなどを使い修復を行います。症状が酷い場合には、詰め物や被せ物をすることもあります。 原因となる病気や日常生活を見直すことにより、酸蝕歯を予防することができます。

ゆっくり進行するため、自分では気付きにくいのが現実です。早めに発見し治療するためにも、定期検診を受け歯の表面に異常がないか確認することをおすすめします。



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筆者:seeker編集部

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