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2021/08/30

フッ素はむし歯予防に効果があるの?

むし歯を予防して歯を強くするにはフッ素が効果的です。フッ素は歯が生え始めた子供にとってはメジャーな治療ですが、大人のむし歯予防にも効果が期待できます。安心して治療を受けられるように、フッ素を利用したむし歯予防の具体的な効果やフッ素の正体、注意点について説明します。


フッ素塗布とは

むし歯予防として効果が期待される「フッ素塗布」とは、高濃度のフッ素ジェルを直接歯に塗る予防処置です。ジェルのほかに泡タイプのフッ化物を綿球や歯ブラシで塗ったり、専用のトレーを使ってお口全体に浸透させたりする方法や、液体フッ化物を使った洗口法など、さまざまな方法があります。

一度限りのフッ素塗布では効果を得ることができないため、治療は継続して受ける必要があります。フッ素塗布の頻度は3ヶ月から6ヶ月に1回を目安とし、お口の中の状態によって異なります。フッ素塗布は主に歯の生え始めから永久歯が生え揃うくらいまでの子供に行われる処置ですが、大人のむし歯予防にも効果があります。



大人の歯は歯周病や加齢によって徐々に歯茎が下がり、歯の根が露出することがあります。通常歯茎に隠れている歯の根の表面は、露出している部分と違い硬いエナメル質で覆われておらず、むし歯のリスクが高くなります。また病気や薬の服用の影響で唾液の分泌が減少すると、お口の中がむし歯になりやすい環境になります。そのため、大人も同様にフッ素を塗布しむし歯を予防するのです。



フッ素塗布の効果

フッ素塗布によるむし歯予防の効果は大きく分けて3つです。それぞれの効果について説明しましょう。


石灰化の促進

むし歯はミュータンス菌などのむし歯菌に感染し発症する細菌感染症の一種です。むし歯菌はお口の中で乳酸などの酸を作り出し、歯の表面のエナメル質や象牙質を溶かします。これを「脱灰」と呼びます。それに対しお口の中では、溶けた歯を修復しようとする「再石灰化」が行われます。

フッ素は脱灰を抑制し再石灰化を促す作用を持っていることから、むし歯予防に効果を発揮します。フッ素塗布によって初期のむし歯であれば修復されることもあります。



歯質の強化・耐酸性の向上

フッ素はむし歯菌への抵抗を高め、酸におかされにくくする役割を持っています。フッ素はエナメル質のハイドロキシアパタイトに直接作用し、より硬く丈夫なフルオロアパタイトを作り出します。フッ素の塗布を行うことで歯の表面は強化され、むし歯になりにくい歯質に変化します。



抗菌・抗酵素作用

フッ素が持つ高い抗菌作用は、口内のプラークが作り出すむし歯菌の増殖を抑えます。またむし歯菌が酸を作り出す過程もブロックし、むし歯菌の活動を抑えてくれます。このようにフッ素塗布は多方面からむし歯予防に効果を発揮するのです。




フッ素は危険?

しかしながら、「フッ素は危険」「フッ素は身体に害」と不安に思う意見があるのも事実です。安心してフッ素の塗布を受けるためには、この不安を取り除かねばなりません。


フッ素とは

まずお伝えしたいのは、フッ素は自然界に存在する物質だということ。フッ素とは元素の名前であり、ほとんどの場合他の物質と結合し存在しています。つまり、単体のフッ素という物質は存在しません。

歯科治療で使用されるフッ素は、厳密にいうと「フッ素化合物」のことを指します。フッ素化合物は岩や土に含まれるミネラル成分で、農産物や海産物などにも含まれています。実は毎日の食事でも、無意識にフッ素を取り込んでいるのです。



フッ素塗布に使用されるフッ素

歯科治療で使うフッ素は「フッ化ナトリウム」という物質で、安全性の高い物質です。しかし、摂取の方法や分量によっては中毒になる可能性はゼロではありません。これは「摂りすぎると毒に・適量使えば薬に」という至極当たり前のことで、規定の何十倍もの量を摂取しなければ問題はありません。



フッ素配合歯みがき剤

フッ素塗布は歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が行う処置です。家庭でできるフッ素を使用したむし歯予防には、フッ素配合歯みがき剤の使用が有効です。歯科医院で購入でき、使い方は通常の歯みがき剤と同じです。フッ素を長くお口の中に留めるために、歯みがき後のうがいはごく少量の水で1回だけにすると、より効果が期待できます。また、歯みがきの後の飲食がない夕食後に使用することや継続して使用することもポイントです。

フッ素配合歯みがき剤のほかにも、フッ素ジェルやフッ素スプレー、フッ素配合の洗口液もおすすめです。ただしうがいができない小さな子供は、過剰摂取や誤飲に注意しましょう。ブクブクうがいができるようになるまでは、フッ素ジェルやフッ素スプレーを使用し歯みがきをするのもいいでしょう。




フッ素で行う予防歯科

フッ素がむし歯予防に有効だということはわかりましたが、過信は禁物です。フッ素を塗布しても、歯みがきが十分に行われていないとむし歯になるリスクがなくなることはありません。定期的にフッ素を塗布するのはもちろん、毎日のケアにフッ素を取り入れお口の健康を守りましょう。



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筆者:seeker編集部

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