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2024/06/06
高齢者に起こりやすいお口のトラブルとは?
年齢を重ねると、身体にさまざまな変化が起こります。口の中の状態も加齢によって変わるため、さまざまなお口のトラブルを抱える方も多くなるようです。 本記事では、高齢者に起こりやすいお口のトラブルについて解説します。お口のトラブルについて事前に把握し正しく対処することで、楽しく安全な食生活や身体の健康、話しやすさに繋がります。ぜひ参考にしてください。
歯周病・虫歯
高齢者に多いお口のトラブルに、歯周病や虫歯が挙げられます。 高齢者はだ液の分泌が少なくなるため、自浄作用が弱くなりやすいです。また、入れ歯を使用する場合には、入れ歯に付着した細菌が口の中で増殖しやすくなります。そのため、歯周病や虫歯の要因が重なると、歯のぐらつきや痛みといったお口のトラブルを引き起こす可能性があるでしょう。 歯周病菌や虫歯菌は、脳梗塞や認知症、誤嚥性肺炎などさまざまな疾患を引き起こすことが分かっています。歯周病や虫歯を予防するためにも、正しいお手入れ方法を身につけたり、定期的に歯科受診をしたりすることが大切です。
▶歯周病と関連する病気については次のコラムをご覧ください。 歯周病と関係のある病気とは?原因と疾患について
ドライマウス
高齢者はだ液の分泌が少なくなりやすく、症状が重い場合にはドライマウスになっていることがあります。 だ液が少なくなると、以下のような症状が現れやすくなります。
ドライマウスは、虫歯や歯周病になる可能性があるだけでなく、食事が摂りにくかったり、話しづらかったりといった症状が現れやすくなるでしょう。
▶ドライマウスの症状や原因、治療法について詳しく知りたい方は、次のコラムをご覧ください。 口腔乾燥症(ドライマウス)とは?症状や原因、治療法を紹介
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、食べ物やだ液を誤嚥することによって発症する肺炎のことです。 高齢者になると、口周りや喉などの筋肉量が少なくなることで、嚥下機能が低下しやすくなります。誤嚥のリスクが高まることで、誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなるといわれています。 誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌量を減らすための口腔ケアをしたり、口周りの筋肉量を増やしたりすることで、発症リスクを下げることが可能です。
▶誤嚥性肺炎の予防方法については、次のコラムをご覧ください。 誤嚥性肺炎とは?歯科で予防できること
歯肉退縮
歯肉退縮とは、歯茎が下がり、歯が長く見えている状態のことです。歯肉退縮が起こる原因としては、加齢以外に歯周病や喫煙、歯の磨きすぎなども挙げられます。 歯肉退縮が起こると歯の根元がさらされるため、虫歯菌に感染しやすくなります。そのほかに現れる症状についても見ていきましょう。
歯肉退縮はさまざまな症状が現れるため、ていねいな口腔ケアや定期的な歯科受診が必要です。
▶歯肉退縮の原因や治療法について詳しく知りたい方は、次のコラムをご覧ください。 下がった歯茎、元に戻る?歯肉退縮の原因と治療法
入れ歯の使用によるトラブル
高齢者の中には、入れ歯を使用している人もいます。入れ歯の使用でよくあるトラブルとして、次のようなものがあります。
入れ歯は自身の口の状態に合ったものを使用しないと、食事の満足感が得られなかったり、話しにくかったりします。使っていくうちに不具合が生じることもあるため、トラブルなく使用するためには定期的にメンテナンスをすることが大切です。
▶入れ歯のメンテナンスについては、次のコラムをご覧ください。 入れ歯のメンテナンスは大変?お手入れ方法や、やってはいけない事を知っておこう
味覚の衰え
食べ物の味は、舌の表面にある「味細胞(みさいぼう)」と呼ばれる細胞で感知します。通常、味細胞は再生されるものですが、何らかの原因で細胞が再生されなかったり働きが悪くなると、味覚障害が起こりやすくなります。 そのほかの原因として挙げられるのが、以下のケースです。
味覚の衰えを予防するためには、口腔ケアやドライマウスの予防、栄養バランスの良い食事などを心がける必要があります。
▶舌苔(舌の汚れ)が気になる方は、次のコラムをご覧ください。 舌の汚れが気になる…汚れの原因や治し方が知りたい
お口のトラブルを予防しよう
高齢者に起こりやすいお口のトラブルには、さまざまなものがあります。トラブルを予防するためには、毎日のお手入れや定期的な歯科受診、栄養バランスの良い食事などを意識することが大切です。口腔内を清潔に保ち、お口のトラブルを予防しましょう。
筆者:seeker編集部