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2021/09/06
海外へ行くその前に!日本と海外、歯科治療はどう違う?
新型コロナウイルス感染症にまつわる状況が落ち着いたら、海外赴任や留学が待っているという方もいますよね。長期渡航前、日本にいる間にぜひおすすめしたいのが歯科医院での検診と虫歯の治療です。 日本と海外の歯科治療を比べてみると、日本での歯科治療にはたくさんの良いところがあります。海外での歯科治療の流れや日本で歯科治療を受けるメリットをまとめました。
海外での歯科治療はどんな流れ?
海外と一口に言っても、当然ながら国によって歯科治療の流れや考え方、技術の高さはそれぞれ異なります。 例えばアメリカでは白い歯がステータスとされているため、被せ物は銀歯ではなく真っ白なセラミックを用いるのが標準的。さらに神経まで達している虫歯の治療は専門のトレーニングを積んだ根管治療専門医が担当する事が多いので、治療の精度が高いと言われています。 ヨーロッパもアメリカと同様に、歯が綺麗であることが社会的ステータスを表すとされる国がほとんど。輝くほどの白い歯は身だしなみのひとつとさえ考えられています。だからこそ一般的に歯科治療に対しての意識が高く、技術も進んでいます。それなら虫歯は海外で治してもらった方がいいのでしょうか。
海外での歯科診療は保険適応外が多い
海外での歯科診療における最大のデメリットは、お金が掛かることです。アメリカでの虫歯治療体験談を見てみると、治療完了までに4,000ドル以上掛かったというエピソードも少なくありません。ヨーロッパ諸国でも、日本で健康保険が適用された金額よりかなり高額の支払いになるのは間違いありません。 多くの人は海外渡航中に健康面でトラブルが起きた時のために海外旅行保険や留学保険に加入しているでしょう。しかし、これらの保険の多くは歯科診療や歯科治療は適用対象外になっています。別料金で歯科治療に関する特約を付けられる保険もありますが、適用条件が厳しい、あるいは年度内の支払い上限額が低めに設定されていることが多いようです。 ただでさえ慣れない海外生活。歯の痛みを我慢したり、高額な治療費を支払ったりすることになったらと想像するだけで辛いですよね。長期渡航前には、ぜひ日本で歯科診療を受けることをおすすめします。
日本の歯科治療メリット
1:レベルが高い
日本には数多くの歯科医院があります。歯科医院ごとに治療に対する方向性はそれぞれ違いますが、平均的に日本の歯科治療のレベルは高いと思って間違いありません。 町の小さな歯科医院が最新の機器を取り入れていることも少なくありません。多くの歯科医師、歯科衛生士はセミナーや勉強会に参加したり、情報交換をしたりしながら日々技術を磨いています。 また、もともとの国民性もあってか、日本での歯科治療は全体的に丁寧できめ細かい治療と言われています。一定水準以上のレベルの歯科治療を気軽に受診できるのは大きなメリットです。
2:清潔水準が高い
日本の歯科医院のほとんどは清潔に保たれていて、安心して歯科治療を受けることができます。数年前には歯科の治療機材の使い回しがマスコミに取り上げられたこともありますが、大半の歯科医院ではオートクレーブ等の滅菌機を適切に使用し、清潔な機材で治療を行っています。 さらに2018年の保険改定により、歯科外来診療環境体制加算という項目が増えました。これは適切な感染症対策や緊急時の安全対策を取るための体制が整っている施設として厚労省に届け出を出している歯科医院だけが加算できる項目。清潔さを徹底している歯科の指針になります。歯科外来診療環境体制加算の届け出をしている歯科医院は各地区の厚生局サイトで確認することができます。
3:保険の適用範囲が広い
日本国内で歯科治療を受けた時、健康保険証を提示さえすれば多くの人は3割負担で治療を受けることができます。先に説明した通り、海外で歯科治療となると日本円にして数十万円もの費用が発生します。でも日本で歯科治療を受ければ数千円程度でおさまることも珍しくありません。 人によっては、目立たないような良い素材を使うには保険適用外の自費診療にしなければならないというイメージがあるかもしれません。もちろん自費診療になれば治療費は高額になることも。しかし近年では状況によっては保険適用内で白い被せ物にすることが可能になっています。もちろん従来の銀歯も選べます。健康保険内で受けられる治療の選択肢の幅が広いことは、日本の歯科治療の最大のメリットといえるでしょう。
一時帰国などでの定期健診をおすすめ
すでに海外で暮らしている、海外へ出発するまで時間がないという人は一時帰国の際に日本の歯科医院で口内の健康チェックやメインテナンスを行うのがおすすめです。
また、渡航前に日本の歯科医院で治療を受けたという人も、一時帰国のたびに定期健診を受けることでより安心できます。歯科医院によっては一時帰国中と伝えると帰国日程に合わせた治療スケジュールを組んでくれます。歯科医師や歯科衛生士と相談して、日本にいる間にしっかり歯のメインテナンスをしたいですね。
筆者:seeker編集部