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2021/09/13
赤ちゃんの歯が生える時期は決まっているの?

歯の生える時期や順番が他の赤ちゃんと違うとわかった場合、みなさんはどう思いますか?不安や心配が頭の中を駆けめぐるのではないでしょうか?今回は、歯が生える時期や順番、歯が生える前兆について紹介します。
歯が生える時期や順番は?
乳歯が生えはじめる時期は、一般的に6ヶ月頃から9ヶ月頃とされています。母子手帳などの成長の記録欄に歯の項目が出てくるのもこの頃です。
「一般的」といわれている時期とは違うけれど…
成長するペースは一人ひとり違うため、全ての赤ちゃんに「一般的」が当てはまることはありません。ただ歯が生える時期や順番がいわゆる「一般的」と違っていると気になってしまうのが正直な気持ちです。歯の生えはじめが遅かったり早かったりするケースには、どのようなことが関係しているのでしょう。
遅い?早い?
1歳を過ぎる頃は、かわいい歯が見えかくれする時期といわれています。この時期に歯が生えてこないケースは、乳歯萌出遅延(にゅうしほうしゅつちえん)が考えられます。 低体重児として産まれた場合や成長過程がゆっくりな子の場合によく見られるケースですが、歯の生える時期が少し遅れているだけなので、3歳頃には全て生えそろうことがほとんどといわれています。 また、3歳を過ぎても乳歯が生えそろわない場合は、先天性欠如(せんてんせいけつじょ)の可能性が考えられます。先天性欠如には、乳歯は生えてきているが永久歯が生えてこないなどのケースもあります。永久歯に与える影響や歯並び、噛み合わせに支障がないかなど、しばらくの間様子を見ましょう。 歯が生えるのが遅い子もいれば早い子もいて、2ヶ月から3ヶ月頃に乳歯が生えることもあります。その場合は、虫歯にならないように注意するとともに、歯のお手入れをはじめてください。

歯が生える順番はみんな同じ?
ほとんどの赤ちゃんの歯は、下の前歯(乳中切歯)2本と上の前歯2本から生えはじめます。1歳頃になるとさらに上下2本ずつ乳側切歯が生え、合計8本の前歯が生えそろいます。その後、最初の奥歯(第1乳臼歯)が4本生え、前歯と奥歯の間を埋めるかのように乳犬歯が生えてきます。2歳半頃には、奥歯(第2乳臼歯)が増え、合計20本の乳歯がそろうとされています。 歯の生える早さと同じで、順番にも個人差があります。一般的な順番と異なるからといって、不安になる必要はありません。心配なことがあれば、躊躇せずに歯科医院などで相談することをおすすめします。
歯の生える前兆はある?
いつもよりもよだれが多くなると歯が生えはじめるといわれています。それが原因で口周りに発疹ができたり、赤ちゃんの機嫌が悪くなったりすることもあるので注意しましょう。スタイ(よだれかけ)やぬれてしまった洋服をこまめに交換することで予防できます。 歯茎にむずがゆさを感じてなんでもかじりたがったり、歯に押され歯茎が痛くなってしまい不機嫌になったり、なかには寝つきが悪くなったりする赤ちゃんもいます。

そんな時は指やガーゼを使って優しくマッサージをして和らげてあげたり、冷やした歯固めを与えてお口の中を冷やしてあげたりすることで、落ち着く赤ちゃんもいます。夜泣きや原因のわからないぐずりも歯が生えてくる前兆の一つと考えられます。 また、知恵熱と呼ばれる熱が出てしまう赤ちゃんもいます。生える時期や順番だけでなく、歯の生える前兆も赤ちゃん一人ひとり違うことがわかりますね。
いつ頃そろうの?
乳歯の生えそろう時期にも個人差はあるものの、ほとんどの場合は2歳半頃といわれています。住んでいる地域の保健センターによって多少前後はするものの、1歳を過ぎる頃から乳児検診に歯みがき指導や歯科検診なども加わり、赤ちゃんの歯のことを知る機会も増えてきます。 3歳を過ぎても歯が生えそろわない場合は、小児科や歯科医院での相談をおすすめします。

歯みがきの開始時期や方法は?
歯みがきは歯が生えてからはじめるものというイメージがあるかもしれませんが、実は、赤ちゃんの歯みがきの開始時期は歯が生える前をおすすめします。 歯が生える前から歯ブラシをお口に入れる練習をしていると、歯が生えてからも歯みがきをスムーズにおこなえるでしょう。歯の生えていないお口に歯ブラシを入れることに抵抗があれば、ガーゼなどを使い優しくマッサージすることで、歯が生える刺激を和らげると同時に、お口の中を触られることに慣れると考えられます。 赤ちゃんひとり一人の成長の速度により歯の生える時期も異なることがわかりました。しかし、赤ちゃんの成長に不安はつきもの。心配や不安を抱えたままにするのではなく、相談をすることで解消できるかもしれません。赤ちゃんのうちからかかりつけ医を見つけ、気軽に相談できる場所を作っておくと安心できますね。
筆者:seeker編集部