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2021/12/07

歯のかぶせものが取れた時の対処法

サイズの大きな虫歯を治療した後は銀歯など被せ物を作り、削ったところを塞ぎます。治療が済んだ直後はしっかりとはまっていても、何らかの原因でかぶせものがぽろりと取れてしまうことがあります。なぜかぶせものが取れてしまうのか、かぶせものが取れた後はどうすればいいのかを見ていきましょう。


歯のかぶせものが取れる原因

銀歯などの被せ物は、歯科医師が大きさや噛み合わせなどをそれぞれの歯に合うようしっかりと調整している、いわばオーダーメイドです。オーダーメイドで歯に合うよう作られたかぶせものを歯科専用のセメントで固定するので、かぶせものは硬いものや粘り気のあるものを食べても簡単には外れません。

しかし銀歯が取れることは珍しいことではありません。ぶせものが取れてしまう原因はいくつか考えられます。



原因1:セメントの劣化

セメントは丈夫な物質ですが、それでも劣化はしてしまいます。口内はさまざまな食べ物や唾液がある環境なので、より劣化しやすいといえます。また、近年使われているセメントよりも昔のセメントはどうしても強度が弱く、昔付けた銀歯ほど外れやすくなる傾向があります。



原因2:かぶせものの下の虫歯

一度治療した後でも虫歯にならないという保証はありません。銀歯の下が虫歯になると歯が溶け、銀歯と歯の間にすき間が生まれるため銀歯が取れやすくなります。銀歯があることで虫歯の発見が遅くなるという一面もあります。



原因3:粘着質な食べ物

歯科用セメントは普段の食事や生活に耐えられる程度の強度があります。しかしキャラメルやソフトキャンディ特有の粘り気は丈夫な歯科用セメントの強度を上回るようです。粘り気のあるお菓子を食べる時には銀歯の無い方で噛むように心がけてみましょう。



原因4:歯ぎしりや強い衝撃

歯ぎしりは想像以上に歯へ負担を掛ける行為です。人の噛む力はその人の体重と同程度か、人によってはさらに大きいとされています。食べ物を噛む時にはちょうど良い力加減になるよう調整していますが、無意識で行われる歯ぎしりは歯に必要以上の力がかかってしまうことがあります。

長時間歯に強い力が掛かった結果、セメントや銀歯自体が傷んでしまいます。また、歯や顎に強い衝撃が与えられると同じようにセメントや銀歯が損傷し、かぶせものが取れてしまうことがあります。



かぶせものの内側が黒くなっている、臭うのは虫歯のせい?

取れたかぶせものの内側が黒くなったり、嫌な臭いがすることがあります。結論から言うと、銀歯の内側が黒くなっているだけならほぼ心配はありません。歯科医師によっては虫歯の治療後、虫歯になりにくくするための予防薬を塗布します。この予防薬は周辺が黒く染まってしまうことがあります。薬剤の影響で銀歯の内側も黒くなっているだけという可能性が考えられます。

ただし、歯の方も黒くなっている、嫌な臭いがするという場合は虫歯を始めとした口内トラブルが原因ということもあります。いずれにせよ、かぶせものが取れたらできるだけ早く歯科医院を受診しましょう。




かぶせものが繰り返し取れる理由

一度かぶせた銀歯は一生ものということはありません。むしろいずれは取れるものと思っていいほどです。とはいえ、付けてから短い期間で取れてしまう、あるいは付けなおしても繰り返し取れてしまうことはありません。かぶせものが繰り返し取れる原因として最も可能性が高いのは歯ぎしりです。かぶせものをした歯に過度の負荷が掛かってしまえば、それだけ銀歯が取れる可能性は高くなります。

また、かぶせものがそもそも歯と合っていなければかぶせものは取れやすくなります。歯科医院では治療する歯だけでなく周囲の歯を含めた型を作り、大きさや噛み合わせの微調整をしながらかぶせものを作ります。

大きさや噛み合わせのいずれも、ほんの少し合わないだけでも銀歯は外れやすくなります。ほとんどの場合は同じ銀歯を再調整して付けなおすことで外れなくなります。銀歯を装着する前には必ず患者さんの歯に銀歯を仮に付けた上で、噛み合わせの確認をします。この時に少しでも違和感があれば遠慮せず伝えたほうがかぶせものの長持ちに繋がります。




取れたかぶせものはそのまま使える?自分で付け直していい?

かぶせものが取れたら、まずはかぶせものを水道水ですすいで汚れを流します。その後は中身が見えるようジッパー付きビニール袋などに入れて紛失しないよう保管しましょう。よくティッシュペーパーに包む人がいますが、他のゴミにまぎれて捨ててしまうことがあるのであまりおすすめはできません。

かぶせものは再利用できる場合とできない場合があります。かぶせものをしていた歯に虫歯などのトラブルがなく、セメントが劣化したために銀歯が外れたのであれば銀歯は再利用できます。銀歯が取れたらできるだけ早く歯科医院を受診しましょう。

万が一かぶせものを飲み込んでしまった場合でも心配はいりません。>銀歯は体内に入っても安全性が高い素材で作られているため、だいたいは何の症状もなく後日排出されます。のどの痛みや腹痛がある時には念のため内科を受診しましょう。



銀歯が取れてしまったけれど、なかなか歯科医院へ行く時間が取れない、自分で付けなおしたいと思う場面があるかもしれません。しかし、かぶせものを自分で付けなおすのはおすすめできません。特に瞬間接着剤を自己判断で使用して付けるのは絶対にいけません。市販では口内に使える瞬間接着剤は販売されていません。

瞬間接着剤でくっつけてしまうと、銀歯の再利用ができなくなるのはもちろん、歯へダメージが与えられてしまいます。なまじ接着力が強いだけに、歯科医院で外すのも歯に負担がかかってしまいます。

どうしても数日歯科医院に行く時間が取れないという時でも自分でかぶせものを付けなおさず、健康な方の歯で噛む、銀歯が取れた歯も含めてしっかり歯磨きをして清潔を保つなどを心がけて過ごしてくださいね。



→虫歯の治療が得意な歯科医院選びはこちらから



筆者:seeker編集部

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