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2021/12/23
入れ歯が臭う…。臭いを防ぐメインテナンス方法を解説

口臭の原因はさまざまありますが、そのひとつに「入れ歯」があります。入れ歯をつけている人にとって、入れ歯の臭いを防ぐメインテナンスは見逃せない話題ではないでしょうか?きちんとしたメインテナンスをすることで、入れ歯による口臭は防ぐことが可能です。この記事では、入れ歯が臭う原因や入れ歯の正しいお手入れ方法について、まとめてみました。
入れ歯の臭いの原因
食べカス
入れ歯が臭う原因の多くは食べカスの付着です。通常、自浄作用を持つ唾液によって食べカスやお口の中の汚れは洗い流されるのですが、入れ歯の内部までは洗い流すことはできません。 お手入れをしないままでいると汚れが蓄積し、臭いを放つようになります。食べカスが入れ歯についてしまうのはやむを得ないことですが、重要なのは汚れがついたまま放置せず、しっかりと落とすことです。
菌の繁殖
入れ歯に付着した汚れを放置してしまうと、入れ歯にプラークがつき臭いを発するようになります。また、そのまま時間が経ってしまうと歯石になってしまいます。入れ歯をつけているお口の中は、細菌が増えやすい環境です。プラークや歯石がついた入れ歯は、次第に菌が増殖しはじめ、ますます臭いを増すことがあります。

プラスチックに染み込んだ臭い
保険適用の入れ歯は、レジンと呼ばれる歯科用プラスチックを使用しています。そのため、清潔な入れ歯であってもプラスチックの独特な臭いがします。 また、水や臭いを吸収しやすいというレジンの性質も臭いの原因です。お口の中の細菌や唾液などが染み込むことで、入れ歯が臭いを発するようになります。
残った歯のトラブル
残った自分の歯が臭いの元になるケースもあります。部分入れ歯の場合、周囲の歯に金具をかけて入れ歯を固定しますが、金具と歯の間に食べカスがたまりやすいため、むし歯や歯周病になりやすく、それが原因で口臭を発することがあります。
食後のお手入れ
食後の入れ歯みがき
お口の中に長い時間入れたままになる入れ歯は、自分の歯同様に毎日お手入れをする必要があります。食事のあとはできるだけお口から外して丁寧にブラッシングをしましょう。歯ブラシや入れ歯専用のブラシなどを使用し、流水で優しく洗います。義歯の表面はもちろん、小さなブラシを使って細かな部分やバネをブラッシングしましょう。 歯みがき粉の使用には注意が必要です。義歯を傷つけてしまう恐れがあるため、研磨剤の入っていない歯みがき粉か義歯用の洗剤を選びましょう。入れ歯に傷がついてしまうと菌が繁殖しやすくなり、口臭の元になります。 また、熱湯消毒のつもりで熱湯をかけてしまうと、入れ歯が変形したり割れたりすることがあります。必ず水かぬるま湯で洗いましょう。見落としがちですが、普段入れ歯と接している歯茎や上アゴにも食べカスや細菌が付着します。 それによって、口臭はもちろん口内炎を引き起こすこともあるため、入れ歯を外したお口のお手入れも忘れずに行いましょう。お口をすすぎ、やわらかい毛の歯ブラシなどで歯茎や舌、上アゴをブラッシングして汚れを落とします。入れ歯を入れるお口の清潔にも気を配り、口臭を防ぎましょう。

寝る前の洗浄剤
毎日寝る前に入れ歯用の洗浄剤に浸けるようにしましょう。洗浄剤に浸けると入れ歯の消毒や除菌ができ、入れ歯の着色や臭いなどを取り除くことができます。洗浄剤の使い回しは厳禁です。毎回必ず新しい洗浄液を用意しましょう。また、複数の入れ歯をひとつの洗浄液に浸け込むこともおすすめしません。 また、入れ歯の種類により洗浄剤を使用すると亀裂が発生してしまうものもあるため、自分の入れ歯は洗浄剤が使えるか、歯科医院で確認しましょう。
入れ歯の種類を変える
入れ歯の種類を変えることで臭いを防ぐことができるケースもあります。プラスチックの入れ歯は保険が適用されるため安価に作れる反面、汚れが付着しやすいというデメリットがあります。そこで、検討したいのが入れ歯の作り直しです。 質の高い素材を使用できる自費の入れ歯であれば、臭いが染み込みにくい素材を選ぶことができます。プラスチックではない入れ歯にしたとしても、前章でお話ししたようなメインテナンスは欠かせませんが、しっかり続けていれば臭いに悩まされることなく、清潔な状態で使い続けられるでしょう。

歯科医院のメインテナンス
入れ歯も自分の歯と同じように歯科医院でクリーニングを受けることができます。専用の洗浄剤や器具を使用し洗浄できるので、定期的に行うことで清潔な入れ歯を保つことができるでしょう。 また、口臭の原因は入れ歯だけではありません。歯周病やドライマウスなど他に原因はないか、歯科医院の診察を受けることも大切です。
筆者:seeker編集部