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2022/02/03
歯間ブラシで汚れの除去率アップ!自分に合った歯間ブラシを見つけよう

毎日の歯磨きで、歯ブラシのほかに何か使用していますか?歯間ブラシは、歯と歯の間の汚れを除去するのにおすすめの清掃用具です。 ドラッグストアでも手軽に購入できるアイテムで、サイズや形、素材などさまざまな種類のものがあります。今回は、歯間ブラシについて解説していきます。自分に合った歯間ブラシを使い、よりきれいで健康な歯を維持していきましょう!
歯間ブラシとは
歯間ブラシとは、歯と歯の間の汚れを取るための清掃用具のひとつです。ワイヤーやゴムでできた小さな歯磨き用ブラシで、360度植毛されています。歯と歯に隙間がある人や、矯正器具を装着している人、つながった被せもの(ブリッジ)をしている人におすすめの歯磨きアイテムです。 日々の歯磨きで、歯ブラシだけで歯磨きを終えている場合、歯の汚れは全体の60%程度しか除去できていないと言われています。歯間ブラシなら、歯ブラシでは取りきれない歯と歯の間の汚れを取ることができます。 そこで、歯ブラシと一緒に歯間ブラシやデンタルフロスを使用すると、80%程度まで汚れを除去できると考えられています。汚れの除去率が上がると、虫歯や歯周病の予防、さらに、口臭予防も期待できるのです。

また、加齢や歯周病などにより歯肉が下がってしまうと、歯の根元の象牙質が見えるようになることがあります。象牙質は、エナメル質に比べて虫歯になりやすいと言われています。歯の根元や歯と歯の間は磨き残しが出やすい場所で、汚れをそのままにしておくと虫歯や口臭の原因になったり、歯肉炎、歯周病の原因になったりします。磨き残しを減らすためにも、歯ブラシと一緒に歯間ブラシを使い、しっかり汚れを取るケアをすることが大切です。 歯間ブラシは、正しい使い方と自分に合ったものを選ぶことがポイントです。サイズや挿入方向など誤った使い方をすると、歯肉を傷つけてしまい出血や感染症のリスクを高めてしまいます。また、ケアの方法次第で歯肉を押し下げてしまうこともあるので注意が必要です。正しい使い方を心がけ、健康な口腔内を維持していきましょう。
歯間ブラシの種類
歯間ブラシにはさまざまな形があります。それぞれの特徴をみていきましょう。
ゴムタイプ
シリコンなどのゴム製なので、柔らかく歯や歯肉を傷つけづらく初心者でも扱いやすい歯間ブラシです。誤って歯肉に強く当ててしまっても、痛みを感じにくいでしょう。ワイヤータイプに比べて、歯の汚れの除去率は低くなります。また、中心に硬いワイヤーが入っていないので折れやすいというデメリットがあります。
ワイヤータイプ
歯ブラシの毛先のようなナイロン毛がワイヤーで固定されているタイプです。ナイロン毛で、歯と歯の間の汚れをしっかり除去することができます。ワイヤーが入っているため、前歯や奥歯などの場所にあわせて曲げられることも特徴です。清掃能力が高い反面ワイヤーが入っているため、使い方を間違ったり慣れていなかったりすると、歯や歯肉を傷つけてしまう場合があります。
ストレート型
まっすぐな形で、先にブラシがついているタイプです。主に、前歯の汚れを取るのに適しています。
L字型
直角に曲がっていたり角度がついていたりして、奥歯の汚れを取るのに適しています。ブラシの形状には、ストレートタイプ、テーパータイプ、バレルタイプがあります。
トレートタイプ(長方形)
ブラシの毛がすべてそろっていて、どの部分を使っても清掃できます。
テーパータイプ(台形)
ブラシの太さが根元になるほど太くなるタイプです。挿入はしやすいものの、根元に近づくと圧が高くなるので、サイズ選びには注意が必要です。
バレルタイプ(樽型)
樽のような形をしていて、ブリッジやダミーの歯の下の清掃などに適しています。
その他
電動歯間ブラシ、口腔洗浄器(ジェットウォッシャー)があります。微細な振動でブラシを動かして磨いたり、高圧の水を噴射して歯ブラシでは届きにくい歯間や歯周ポケットの汚れを除去したりします。
歯間ブラシのサイズ
歯間ブラシのサイズには、4S~LLと幅がありますが、サイズ表記はメーカーによって異なる場合があります。サイズ選びはとても重要で、狭い隙間に大きいサイズの歯間ブラシを無理に使うと、歯や歯肉を傷める原因になります。逆に、広い隙間に小さい歯間ブラシを使うと十分に汚れを落とすことができません。 歯間ブラシのサイズは、歯と歯の間に無理なく入れることができ、きつく感じない程度のサイズを選ぶとよいでしょう。もし、サイズに不安があれば歯科医院でサイズを確認してもらうこともできます。
- <歯間ブラシのサイズの目安>
- 4S:歯と歯の間が狭い所、初めて使用する人
- 3S:歯と歯の間が狭い所、初めて使用する人
- SS:歯と歯の間が狭い所、初めて使用する人
- S :軽度の歯肉退縮部位、歯並びの悪い所など
- M :歯肉退縮部位、ブリッジ周辺など
- L :歯と歯に間が広い、歯根露出部位など
- LL:広い隙間、孤立歯の周辺など
初めて歯間ブラシを使用する場合は、小さいサイズから試すようにしましょう。軽く力を入れてもブラシが通らない場合は、無理に使用する必要はありません。また、最も細いサイズが入らない場合は、デンタルフロスの使用をおすすめします。
歯間ブラシの使い方
歯間ブラシ使用時のポイント
歯間ブラシはどのタイミングで行うのがいいのでしょうか?一日に何回も使う必要はありません。おすすめは、夜、「歯磨きをする前」に使うことです。デンタルフロスも同様ですが、歯磨きの前に行うことで歯間ブラシやデンタルフロスについた汚れが歯についても、歯ブラシで取ることができます。また、歯間ブラシを使用するときは、必ず鏡を見て行いましょう。
- 1、鉛筆を持つように持ちます。握るように持つと力が入りすぎてしまうので気を付けましょう。
- 2、鏡を見ながら、ゆっくりと斜めに歯間ブラシを挿入します。歯肉を傷つけないように気を付けましょう。
- 3、歯間ブラシを水平にして歯面に沿って、2〜3回往復させて動かします。ゴシゴシ磨かなくても、十分汚れを取ることができます。片側一方だけでなく内側や外側と方向を変えて行うと、汚れの除去率が上がり効果的です。
- 4、使用後は流水でしっかり汚れを落として、風通しの良い場所で保管しましょう。
歯間ブラシ使用時の注意点
歯の隙間の広さは、場所によって異なる場合もあります。場所に合ったサイズの歯間ブラシを用意して、使い分けを行いましょう。歯間ブラシをして、歯肉が痛い、出血するなどの症状が出た場合、サイズが合っていなかったり、力が強すぎたりする可能性があります。また、歯肉炎や歯周病になっていることも考えられます。その場合、汚れが原因で歯肉が炎症を起こしているので、汚れが取れてきれいな状態になれば歯肉は正常に戻り、出血はしなくなります。 歯間ブラシの交換時期は、使い方や頻度にもよりますが、ワイヤータイプは1〜2週間ごと、ゴムタイプには使い捨てと再利用できるものがあります。折れたり毛先が乱れたり、短くなったりしたら交換時期の目安です。使い捨てタイプや再利用できるタイプを、自宅用・外出用と使い分けて活用するのもおすすめです。

毎日の歯磨きに歯間ブラシを取り入れると汚れの除去率が上がり、虫歯や歯周病のリスクを下げることができます。一方で、間違った使い方をすると、歯や歯肉を傷めてしまう恐れがあります。使い方や選び方に不安があれば、歯科医院で正しいデンタルケアの指導を受けることができます。自分に合った歯間ブラシを見つけてしっかりケアし、健康できれいな口腔内を維持していきましょう。
筆者:seeker編集部