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2022/02/07
歯肉に傷?歯の磨きすぎに要注意!

歯の健康を維持するために、毎日の歯磨きはとても大切です。しかし、歯磨きを頑張るあまり、力が入りすぎて強く磨いたり、硬い歯ブラシでゴシゴシ磨いたりと間違った磨き方をすることにより、歯や歯肉を傷つけることがあります。今回は、磨きすぎによる影響についてお話しします。
歯肉に傷ができる擦過傷とは
歯肉に傷ができる擦過傷とは、「磨きすぎ」「力の入れすぎ」によって歯や歯肉が傷ついてしまうことです。
- □ 強い力でゴシゴシ磨いている
- □ 硬い歯ブラシを好んで使っている
- □ 歯磨きを終えた後、歯肉に違和感を覚えることがある
- □ 歯ブラシの毛先がすぐ開いてしまう
などあれば、もしかしたら磨きすぎ、力の入れすぎになっている可能性があります。その他にも、毛先が開いた歯ブラシで磨くことは、歯肉を傷つけやすく、汚れの除去率も下がってしまいます。 歯の汚れを取りたいからといって、力強く磨いたり、硬い歯ブラシでゴシゴシ磨いたりすることは、健康な歯や歯肉を傷つける原因になるのです。歯ブラシの当て方や力加減、磨きすぎには注意が必要です。
磨きすぎ、お手入れしすぎが及ぼす影響
傷ついた歯肉は、歯ブラシが少し歯肉に触れただけでも痛みが出てしまいます。出血を伴う場合があるほか、力の強すぎる歯磨きを続けていると、歯肉が退縮し歯の根元部分の象牙質が露出してしまう「歯肉退縮」の原因になります。 歯肉が下がると、歯が長くなったように見えるだけでなく、歯と歯の間に隙間ができてしまい、物が挟まりやすい状態になってしまいます。

また、象牙質はエナメル質と違い柔らかいため、すり減りやすく、虫歯になりやすいという特徴があるほか歯肉が下がり露出している部分は神経に近いため、冷水がしみるといった知覚過敏を引き起こすケースもあります。 歯肉が傷つき、痛みやしみる症状がひどくなると、歯ブラシを当てられなくなることもあります。そうなると、汚れをしっかり取ることができず、虫歯や歯周病のリスクを高めることにつながります。予防のためにしっかり磨こうとするあまり、力を入れて磨いてしまいがちですが、間違った歯磨きによって虫歯や歯周病になってしまっては元も子もありません。正しい歯磨きの仕方を身に着けることがとても大切になります。
症状が出たときの対処法
擦過傷ができ炎症がある場合、傷にもよりますが市販の口内炎のぬり薬で対応することが可能です。また、炎症が治まるまでは、毛先の柔らかい歯ブラシを使うことをおすすめします。 磨き方は、歯ブラシを優しく動かすように磨くとよいでしょう。硬い歯ブラシでの歯磨きは刺激が強く、症状を悪化させてしまう可能性があるので気を付けてください。

痛くて歯ブラシを当てられない場合は、傷がある部分は無理に歯ブラシを当てず数日様子を見てもよいでしょう。しかし、そのままの状態にしてしまうと、その部分だけ汚れが残ってしまい悪循環です。虫歯や歯周病の原因につながるので、歯ブラシが当てられるようになったら、丁寧に磨くことが必要です。 炎症が治まらず痛みが強い場合は、歯科医院で診てもらいましょう。出血しているからしっかり磨かないといけないと思い、ゴシゴシ磨いてしまいがちですが、その行為がさらに歯肉を傷つけてしまうこともあります。なかなか治らない出血や痛みは歯周病などの他の病気の可能性もあるので、歯科医院で早めに診てもらうことをおすすめします。
正しい磨き方を身に着けよう!
歯ブラシの持ち方と力加減
適切な歯磨き圧は、100〜200g程度です。歯ブラシを歯面に当てたとき毛先が広がらない程度が目安です。新しい歯ブラシが2、3週間で広がるようなら力を入れすぎている可能性があります。 また、歯磨き圧が適切でも、硬い歯ブラシを使っていると刺激が強くなります。磨いた気がしないなど好みはあると思いますが、基本的には、普通〜柔らかめの歯ブラシを使いましょう。歯ブラシの持ち方は、鉛筆を持つ手が理想です。鉛筆のように持つことで、余計な力が入りにくく、力加減の調節もしやすくなります。また、手首を使って軽く動かすことができ、細かく動かして磨くことができます。
歯ブラシの当て方
歯ブラシを鉛筆のように持ち、毛先が歯と歯肉の境目に当たるようにします。歯ブラシの毛先が広がらない程度の力加減で歯面に当て、歯ブラシを2〜3mm程度の幅で細かく動かしていきます。 一か所10~20回程度磨いたら、隣の歯へと動かしていきます。歯磨きをする時間は3~5分程度を目安に、1本ずつ丁寧に磨きましょう。テレビなどを見ながらの「ながら磨き」は、磨きむらが出るほか、磨きやすい所を繰り返し磨いてしまったり、力が入りやすくなったりするので注意が必要です。

歯の汚れを取るために歯ブラシを強く擦りつけてしまったり、時間をかけて磨いたりしても、歯ブラシが正しい場所に当たっていなければ、汚れは取れず効果がありません。そして、間違った歯磨きにより、歯や歯肉を傷つけることにもなります。歯科医院では、正しい磨き方を指導しています。適切な力加減と正しい磨き方を身に着け、健康な歯を維持していきましょう。
筆者:seeker編集部