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2022/02/10

唾液の役割って?唾液には驚くべき効果がある

普段から唾液を意識して生活をするということはあまりないかもしれません。しかし意外かもしれませんが、唾液は健康を守るための役割をいくつも担っているのです。さらに唾液の分泌量を増やすことで唾液の効果をより高めることが出来ます。唾液の効果や、唾液の量を増やす方法を見ていきましょう。


唾液にはさまざまな役割がある

大人は平均して1日1~1.5リットル程の唾液を分泌しているといわれています。多いと感じるかもしれませんが、唾液は口内の健康だけでなく全身の健康を守るためのさまざまな役割を担っているのです。歯科医院の中には患者さんの唾液量を測定するところもあるほどです。唾液には具体的にどのような効果があるのでしょうか。



唾液の効果1:虫歯リスクを減らす

唾液は虫歯になるリスクを下げる効果があります。唾液の中にはカルシウムイオン、リン酸イオン、フッ素イオンが含まれています。初期の虫歯は歯のエナメル質からカルシウムやリンが溶けだした状態です。この状態を脱灰といいますが、脱灰状態であればエナメル質の再石灰化をすることで虫歯の進行を防ぐことができます。

唾液中のイオンは再石灰化を促し、虫歯のリスクを抑えます。また、唾液は口内のpHバランスを整える役割もあります。口内の虫歯菌が食べかすを餌にし、酸などを発生させることで脱灰が進み、虫歯が進行していきます。唾液がphバランスを調整することで脱灰を防いでいるのです。




唾液の効果2:汚れを流す

唾液は口内の細菌や歯垢、食べかすを物理的に押し流す役目も担っています。唾液が細菌などを流す作用を、一般的に自浄作用と呼びます。食べ物の咀嚼中に唾液の分泌が促され、自浄作用は活発になります。噛み応えのある食べ物をよく噛むことで自浄作用がより強まるということです。逆に柔らかい食べ物ばかり食べていると、唾液の自浄作用は弱まってしまいます。

ただし、唾液に自浄作用があるといっても、歯にこびりついた汚れを押し流すほどの威力はありません。特に奥歯の溝や歯と歯の間にくっつくようなおせんべいやスナック菓子などの汚れは自浄作用で押し流すのは期待できないと言っていいでしょう。虫歯予防の基本がブラッシングということに変わりはありません。



唾液の効果3:消化を助ける

唾液は胃液などと同じく食べ物の消化を助ける働きがある体液です。唾液にはでんぷん質を分解するアミラーゼという酵素が含まれています。アミラーゼはでんぷんと反応し、麦芽糖へと分解します。ご飯をよく噛むと甘くなるというのは麦芽糖へ分解されるためです。アミラーゼがでんぷんを分解することで、胃腸への負担が軽減されます。



唾液には他にも免疫機能を高める、抗菌、口内の水分量を調整するなどの役割があります。唾液の量が増えれば増えるほど、唾液の効能はより強まります。ただし、睡眠中はどうしても唾液の分泌量が減ります。就寝前にしっかりと丁寧に歯磨きをすることで分泌量低下のフォローをすることができます。



唾液の量を増やす方法


唾液腺のマッサージ

唾液は唾液腺という顔の内側にある器官から分泌されます。唾液腺には小唾液腺と大唾液腺があり、大唾液腺は耳の下にある耳下腺(じかせん)、下顎の下にある顎下腺(がっかせん・がくかせん)、舌下腺(ぜっかせん)の3つから成ります。耳下腺、顎下腺、舌下腺をマッサージすることで唾液の分泌が促されます。特に食前に行うと効果的とされています。


  • 1.耳下腺のマッサージ方法
    親指以外の指を揃え、頬に当てる。指の位置は上の奥歯のあたり。指を後ろから前に向かってゆっくりとさする。10回程度繰り返す。
  • 2.顎下腺のマッサージ方法
    両手をそれぞれ軽く握り、親指を立てる。親指を顎下、骨の内側の柔らかい箇所に優しく当てていく。耳の下から顎の中央まで5か所ほどを、1か所につき5回程度優しく押す。
  • 3.舌下腺のマッサージ方法
    軽く両手を組み、両親指を立てる。親指で顎の真下から舌を押し上げるようにグーッと10回押す。


唾液腺のマッサージは唾液の分泌を促すのはもちろん、リラックス効果も期待できます。


水分補給

身体全体で水分が足りていないとき、真っ先に唾液の分泌量が減らされるようになっています。唾液の分泌量を増やすためだけでなく、全身の健康維持のためにも水分補給は大切です。成人の場合1日1.5~2リットルの水分を摂るのが良いとされています。注意したいのは摂る水分の質です。砂糖や甘味料が含まれている清涼飲料水やカフェインが含まれるコーヒー、緑茶などは水分補給には向いていません。

またウーロン茶や緑茶に含まれるポリフェノールは唾液の分泌を抑制する作用があるため、唾液の分泌量を増やすという観点からはこちらも不向きです。シンプルな水で水分補給をするのがおすすめです。




唾液の量を増やすことで虫歯だけでなく口内の乾燥を防ぐこともでき、口臭予防効果も期待できます。唾液腺マッサージや水分補給を取り入れながら、ぜひ自分の唾液量を意識してみてくださいね。



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筆者:seeker編集部

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