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2022/07/13
舌のお手入れが必要な理由とは?ケア方法を紹介

歯磨きを一生懸命しても、口臭が気になってしまうことはありませんか。原因は舌の汚れにあるかもしれません。今回は、舌のお手入れが大切な理由を解説するとともに、舌のお手入れ方法をお伝えします。
舌のお手入れが大切な理由
舌のお手入れが大切な理由に口臭が挙げられます。口臭が気になっている方は意外と多いもの。健康な方の口臭は、舌苔と呼ばれる舌の汚れが原因と言われています。
舌苔(ぜったい)とは
舌苔は白い苔状の塊で、口腔内の細菌や食べかすなどが舌に付着したものです。舌苔の付き方は個人差があります。一部だけに付く方や舌全体に広がってしまう方、分厚くなってしまう方などさまざまです。また、体調などによっても舌苔の付き方が変わると言われています。

舌苔(ぜったい)ができる原因
舌苔ができる原因は主に3つあげられます。一つは、口腔内がきれいにケアできていないケースです。口腔内に食べかすや剥がれた粘膜などが残っていると舌に付着しやすくなり、舌苔ができてしまいます。 また、唾液の量が少ない方も舌苔ができやすい傾向にあります。唾液は、口腔内の汚れなどを流したり、細菌の増殖を抑制したりするため、唾液の量が少ないと舌苔が付着しやすくなります。口呼吸をしている方も口腔内が乾燥しやすい傾向にあります。唾液の循環が悪くなるため、舌苔ができやすいです。
舌苔を取り除くと口臭予防に
前述した通り、舌苔は食べかすや粘膜などが付着したものです。口腔内には無数の細菌が存在しており、食べかすや剥がれた粘膜を食糧としています。細菌はこの食糧を食べるときに揮発性硫黄化合物を作り出すため、舌苔があると口臭が発生しやすくなります。
舌のお手入れポイント
早速、舌のお手入れポイントを見ていきましょう。
1日1回舌のお手入れを
舌のお手入れは、1日1回を目安に汚れが気になるタイミングで行いましょう。前述した通り、舌苔は、口呼吸をしていたり、唾液量が少なかったりするときに付着しやすいです。1日のなかでも朝は舌苔が多くなりやすいので、朝の歯磨きのときに、一緒に舌のお手入れをするのが良いでしょう。
舌ブラシや歯ブラシなどのお手入れ道具を使う
舌のお手入れは、舌ブラシや歯ブラシを使って行います。舌ブラシは、舌の表面を傷つけないように柔らかくしなやかなものを選びましょう。 また、舌の奥側もしっかりとお手入れできるように、柄が長いものを選びます。スポンジブラシは先端がスポンジになっているブラシで、スポンジの硬さや大きさ、形などさまざまなものがあります。好みに合わせてお手入れする道具を決めましょう。

舌をお手入れするときは優しい力で
舌の表面には舌乳頭と呼ばれる細かい突起が無数にあり、とてもデリケートな作りになっています。舌の粘膜や味覚を感じる部分を傷つけないように優しくお手入れするようにしましょう。
歯磨き粉よりジェルタイプがおすすめ
歯磨きのついでに舌のお手入れをするのも良いですが、歯磨き粉には研磨剤や発泡剤が含まれている物があります。舌を傷つける可能性があるため、舌のお手入れにあまり向いていません。 そのため、舌専用のジェルを使ってお手入れする方がより効果的で安心して使用できます。ジェルにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。口臭が気になる方は、殺菌成分が含まれているもの、汚れが気になる方は重曹が含まれているものなど、目的に合わせて使い分けましょう。
乾燥している場合は保湿剤を
唾液の分泌が少ない方や口呼吸の習慣がある方は、口腔内が乾燥しやすく舌苔もできやすい傾向にあります。そのため、舌専用の保湿剤を使用すると、症状が緩和しやすいでしょう。保湿剤にはリキッドタイプやスプレータイプ、ジェルタイプがあります。自己管理が難しい方や嚥下機能が低下している方は、ジェルタイプの保湿剤を介護者が使用することで誤嚥を防ぐことができます。
おう吐を防ぐには
舌のお手入れをしていると、おう吐反射を起こすことがあります。「おぇっ」とならないようにするためには、舌を意識して前に出すようにすると、気持ち悪くなりにくいです。

舌のお手入れで口臭予防を
舌のお手入れをする習慣がなかった方は、舌苔が溜まっており、一度では汚れが落とせないこともあります。口臭予防のためにきれいにしようと、無理やりこすってしまうと、舌を傷つけてしまうかもしれません。お手入れを習慣化して、優しく少しずつ汚れを落とすようにしましょう。
筆者:seeker編集部