歯科医院へ行くのは、虫歯など歯を治療したいとき。そのように思っている人は意外と多いかもしれません。しかし、歯科医院では虫歯などを予防するためのケアも行っています。今回は、予防歯科についてお伝えするとともに、効果や治療の種類について解説します。

予防歯科とは？

実は予防歯科という診療科はありません。歯科医院にある診療科は「歯科」「小児歯科」「矯正歯科」「歯科口腔外科」の4種類だけです。

そのため、予防歯科がある歯科医院を探しても見つけることはできないでしょう。では、予防歯科とはどういうものなのでしょうか。予防歯科とは、虫歯や歯周病を予防するという考え方のことです。

そのため、虫歯にならないように毎日歯を磨くことも予防歯科。歯周病予防効果のある歯磨き粉を使用するのも予防歯科。定期検診や歯のクリーニングをするために歯科受診することも予防歯科です。予防歯科という言葉は、「予防歯科を始めましょう」といった使われ方をされており、虫歯や歯周病を予防できるよう意識しましょうといった意味となります。

予防歯科を始める効果

予防歯科にはさまざまなメリットがあります。まずは予防歯科を始める効果について見ていきましょう。

歯を失うリスクが下がる

予防歯科を始めると、歯を失うリスクを下げることができます。歯が抜ける要因は、虫歯や歯周病などによるものが多いです。そのため、日々のセルフケアを意識したり、定期検診や歯のクリーニングを行ったりすることで、歯を失うリスクを可能な限り下げることができます。

健康な歯を維持できる

健康な歯を維持できる点も予防歯科のメリットといえるでしょう。歯は一度失うと生えてくることはありません。インプラントや入れ歯などを歯の代替にすることはできますが、自然な歯を取り戻すことはできないのです。歯の代替品は天然の歯に比べると耐久性が落ちるため、こまめに歯科受診をする必要があるでしょう。できる限り自身の歯を残すためにも、定期的なメンテナンスは大切です。

口臭予防

口臭の原因は主に「舌苔」と「虫歯・歯周病」といわれています。舌苔とは舌の上にたまった食べカスなどのこと。舌苔には細菌が溜まっています。一方、虫歯や歯周病については、プラークが原因といわれています。プラークとは、食べ物の残りカスが歯の表面に付いて、細菌が繁殖したものです。

これらの細菌は、硫化水素やメチルメルカプタンなどの臭いの強いガスを発生させます。そのため、舌苔や虫歯、歯周病によって起こる口臭は、臭いが強い傾向にあります。

妊娠・出産リスクの低減

妊娠中はホルモンバランスの変化によって、歯周病になりやすいといわれています。妊娠性歯肉炎という病気があるほど、歯周病と妊娠は関係が深いです。

また、妊娠中はつわりによる吐き気などで食生活が不規則になったり、歯磨きが十分に行えなかったりするため、口腔内の環境が悪くなりやすいです。妊娠中に歯周病になってしまうと、早産や低体重児出産になる可能性があります。そのため、妊娠中ほど予防歯科を意識することが大切でしょう。

予防歯科で行う施術は、虫歯や歯周病予防の効果が期待されます。詳しく見ていきましょう。

歯のクリーニング

毎日のセルフケアでは落としきれない汚れを除去するのが歯のクリーニングです。歯垢や歯石などをキレイに取り除くことができます。また、定期的にプロが歯のチェックをすることで、虫歯や歯周病の有無を確認してもらえます。 数か月に1度程度の頻度で歯のクリーニングを行い、歯のトラブルを未然に防ぎましょう。

フッ素塗布

歯にフッ素塗布を行うことも予防歯科の1つです。フッ素は、歯の再石灰化を促すことに加え、歯質を強くする効果も期待されています。

歯の再石灰化とは、食事などで歯から溶けだしたイオンやミネラルが再び歯の表面に戻り、歯の表面を修復する作用のことです。食事や間食をすると、虫歯菌が砂糖などを食べて歯のエナメル質を溶かす酸を作り出します。フッ素塗布をすると、歯の再石灰化の働きをサポートすることができるため、虫歯予防になります。

ブラッシング指導

予防歯科としてブラッシング指導を行う歯科医院もあります。定期健診や歯のクリーニング、フッ素塗布を行うことは大切ですが、やはり日頃のセルフケアも予防歯科には大切な要素です。歯の生え方や生活習慣によって、ブラッシングのやり方は異なるため、自分に合ったブラッシングを知っておくことが大切でしょう。

予防歯科を始めよう

予防歯科を始めることで、虫歯や歯周病などのトラブルを未然に防ぐことができるだけでなく、早期発見することで歯を失うリスクを下げることができます。歯を守るためにも予防歯科を始めましょう。

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筆者：seeker編集部