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2022/11/24

お口の健康を守るスペシャリスト、歯科衛生士の主な仕事とは?

歯の治療や定期健診などで歯科医院に行くと、歯科医師のほかに、歯のクリーニングや施術の補助をしているスタッフを見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。そのスタッフが「歯科衛生士」です。今回は歯科衛生士の仕事内容や特徴について詳しく紹介します。


歯科衛生士とは

歯科衛生士は、歯科医師の隣で施術の補助をするだけでなく、むし歯や歯周病予防の保健指導などさまざまな業務を通じて、人々のお口と全身の健康を支える医療の専門職です。

歯を失う原因の多くは、むし歯と歯周病といわれていますが、歯科衛生士はそれらの予防や治療に深く関わっています。お口の健康は、人々が健康で充実した生活を送るために欠かせません。歯科衛生士は、歯磨きの指導をしたり、高齢者に摂食・嚥下機能訓練をおこなったりと、幅広い年代の人々の健康を支えているのです 。



歯科衛生士になるには国家資格が必要

歯科衛生士になるには、高校を卒業後、歯科衛生士養成機関(専門学校・短期大学・大学)において、歯科衛生士として必要な専門的な知識や技術を習得します。

歯科衛生士養成機関を卒業すると、歯科衛生士国家試験の受験資格を得ることができます。そして、年1回実施される国家試験に合格して初めて「歯科衛生士」としての免許が与えられるのです。


▶「歯科衛生士」と「歯科助手」の違いについてはこちらのコラムをご覧ください
「歯科衛生士」さんと「歯科助手」さんの違いって?



歯科衛生士の仕事内容

歯科診療補助

歯科診療は、歯科医師を中心としたチーム医療で成り立っています。その中で歯科衛生士が現場で行うアシスタント業務全般を「歯科診療補助」といいます。

歯科診療補助の範囲はさまざまです。たとえば、歯科医師へ治療器具の受け渡しをしたり、患者の口の中にたまった水を吸ったりといったこと。ほかにも、患者の緊張を緩和することも求められます。さらに物品の整理整頓や在庫管理、環境整備など、歯科診療を円滑に行うために大切な役割を果たしています。



歯科予防処置

「歯科予防処置」とは、歯科衛生士のメインとなる業務で、むし歯や歯周病などの歯科疾患を予防するために行う処置のことです。

具体的には、歯磨きでは取れなくなってしまった歯石を除去するクリーニング処置や、歯を強くするためのフッ素塗布などが行われます。

また、定期健診時の歯周病検査も歯科衛生士の業務のひとつです。歯科衛生士が患者の口腔ケアを行い、歯科医師が最後にチェックする診療形態が一般的です。



歯科保健指導

患者が自分自身で口腔内の健康管理をできるよう、歯の磨き方をはじめとした口腔ケアの方法や食生活の指導など、それぞれの患者に合わせた方法で指導を行うことを「歯科保健指導」といいます。

むし歯や歯周病は生活習慣病です。そのため、治療よりも予防を心がけたり、患者自身が生活習慣を改善したりする必要があります。正しい生活習慣や口腔ケアを行うには、歯科衛生士が行う専門的な指導が欠かせません。



口腔機能訓練

口腔機能訓練では、高齢者を中心に咀嚼や嚥下機能が低下している人に向けた訓練やアドバイスを行います。

口腔機能が低下すると生活の質が大きく低下してしまうほか、内臓に影響を与えることもわかっており、高齢者の口腔ケアの重要性が高まっています。

▶噛むことと健康の関係についてはこちらのコラムをご覧ください
口元の老化を防ぐ? 噛むことと健康の関係とは



ホワイトニング

近年はホワイトニングを行っている歯科医院も多くなっており、歯科医師の監視下で、歯科衛生士が施術するケースも増えているようです。ホワイトニングでは、薬品を使って患者の歯を白くしていくほか、患者が歯を白く保てるように必要なアドバイスなども行います。

ホワイトニングに関しては、日本歯科審美学会認定の「ホワイトニングコーディネーター」という資格があります。これは歯科衛生士のみに認められた資格です。ホワイトニングの専門的な知識とスキルを身に付けることで、患者により確かなアドバイスができます。

▶ホワイトニング治療の流れについてはこちらのコラムをご覧ください
ホワイトニング治療の流れを解説!



歯科衛生士ができないこと

歯科衛生士は、患者の口腔内に触れて施術することはできますが、本来歯科医師が行う治療は基本的にできません。

歯科医師が行う医療業務には2種類あります。ひとつは「絶対的歯科医行為」で、もうひとつは「相対的歯科医行為」とよばれるものです。それぞれについて解説します。



歯科衛生士ができない「絶対的歯科医行為」

絶対的歯科医行為とは、歯科医師しか行ってはいけない、以下のような治療行為のことをさします。

  • ・抜歯
  • ・歯茎を切る
  • ・歯を削る
  • ・被せ物や詰め物の装着
  • ・麻酔のための注射(2022年11月現在)
  • ・レントゲンの撮影

歯科衛生士は患者の口腔ケアや薬の塗布などを行うため、上記のような治療行為もできると勘違いされることがあります。

ですが、これらの治療行為は歯科医師でなければできない治療行為であり、歯科衛生士にはできません。



「相対的歯科医行為」は歯科医師の監視下であればできる

「相対的歯科医行為」は歯科医師の監視下であれば、歯科衛生士が行ってもよい治療行為のことをさします。

具体的には、歯垢の除去やホワイトニングの施術、表面麻酔の塗布などです。ただし、これらは相対的歯科医行為の一部であり、歯科衛生士のスキルや知識、経験によってできる内容や治療の範囲は異なります。

歯科医師がいない状況下、歯科衛生士の自己判断で相対的歯科医行為を行った場合は、違法行為となります。歯科医師の指示を受けたうえで行うことが必須です。



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筆者:seeker編集部

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