歯に痛みが出る原因には、歯や歯茎、歯髄や歯根によるものがあります。そのほか歯以外に原因がある場合もあるなど、歯に痛みを感じる原因はさまざまです。

今回は、歯に痛みが出る原因と対処法についてくわしくお伝えします。

歯の痛みが出る原因①：歯によるもの

痛みの原因が歯にあるケースとして、虫歯や知覚過敏があげられます。それぞれ見ていきましょう。

虫歯

虫歯とは、虫歯菌が作り出す酸によって、歯の表面が溶けている状態のことです。口の中にいる虫歯菌が歯を溶かすことで神経に近づくと、痛みを感じるようになります。

歯の構造は外側から順に「エナメル質」「象牙質」「歯髄」となっています。一番外側の「エナメル質」は酸で溶けても痛みを感じません。しかし、「象牙質」まで虫歯が進行すると痛みを生じるようになります。

知覚過敏

知覚過敏とは、食事や歯磨きのときなどに、歯がしみたり痛みを感じたりする状態のことです。熱いものや冷たいもの、歯磨きなどの刺激が痛みの要因となります。

知覚過敏の原因は、加齢や歯周病によって歯茎が下がることでエナメル質が削れてしまったり、炭酸飲料や柑橘系のフルーツを食べ過ぎることでエナメル質が溶けたりすることといわれています。

▶知覚過敏については次のコラムでくわしく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
冷たいものがしみる・痛い！知覚過敏の原因と仕組み

歯の痛みがでる原因②：歯茎によるもの

痛みの原因が歯茎によるものについて見ていきましょう。

歯肉炎

歯肉炎とは、歯茎に炎症が起こっている状態のことです。歯の隙間に溜まった歯垢や歯石が原因だといわれています。状態によっては痛みや腫れを感じることがあります。

歯周病

歯周病は歯肉炎が進行した状態です。歯槽骨と呼ばれる場所が溶けると、歯がぐらつき最終的には抜け落ちてしまいます。歯茎に炎症が起こっている状態であるため痛みを感じます。

親知らずの生え方

親知らずとは歯の一番奥に生える歯で、人によっては斜めに生えたり横向きに生えたりすることがあります。親知らずがまっすぐに生えてこないと、隙間に歯垢や歯石が溜まりやすくなり、虫歯や歯肉炎などになるリスクが高まります。親知らずの生え方が原因で、虫歯や歯周炎などになり、歯が痛くなってしまうこともあるのです。

歯の痛みが出る原因③：歯髄や歯根によるもの

痛みの原因が、歯髄や歯根によるものについて見ていきましょう。

歯髄炎

歯髄とは、神経や血管が通った組織のことです。この部分に炎症が起こる歯髄炎では、強い痛みを感じることが多いです。歯髄炎の原因として虫歯や歯周病などがあります。病状が進行している場合は治療として神経を取ることもあります。

歯根膜炎

歯根膜炎とは、歯と骨をつなぐ歯根膜に生じる炎症のことです。原因として、細菌感染によるもののほかに、噛み合わせや外部刺激などによるものがあります。歯根膜炎になると、歯ぎしりや食いしばりなどによって強い痛みを感じます。

▶歯茎を押したときに痛みを感じる原因については、次のコラムをご覧ください。
歯茎を押すと痛むのはなぜ？考えられる原因とは

歯の痛みが出る原因④：歯以外の原因によるもの

歯の痛みは、歯や歯周辺の組織が原因となっているものばかりではありません。以下のように、体の不調が歯の痛みとして感じられることもあります。

歯の痛みがあるときの対処法

ここからは、歯に痛みを感じたときにできる対処法について見ていきましょう。

歯科クリニックを受診

歯に痛みを感じたら、まずは歯科クリニックを受診し、口の中やあご周りに原因がないかを診察してもらいます。

歯科クリニックで原因が突き止められなかった場合は、歯以外に原因があるかもしれません。かかりつけ医院や近隣のクリニックを受診して、くわしく検査をしてもらいましょう。

市販の痛み止めを服用

歯科クリニックやかかりつけ医院を受診したいけれど、予定が合わなくてなかなか受診できないこともあるでしょう。我慢できないほどの痛みがある場合は、市販の痛み止めを服用するのもひとつの方法です。

ただし、痛み止めを服用したからといって、痛みの原因がなくなるわけではありません。痛み止めは応急処置にすぎないので、時間を見つけて歯科クリニックを受診しましょう。

歯の痛みがある時は

歯に痛みを感じる原因にはさまざまなものがあります。痛みを感じたら、まずは歯科クリニックを受診しましょう。歯や健康を守るには、歯の痛みの原因を突き止め、正しく対処することが大切です。

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筆者：seeker編集部