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2023/05/26
人中短縮手術は危険?!やらないほうがいい?

鼻の下から上唇までの部分を「人中(じんちゅう・にんちゅう)」といいます。人中の長さは顔の印象を左右するため、気になっている人もいるのではないでしょうか。 今回は、手術によって人中の長さを短くする「人中短縮手術」のメリットやリスクなどについて詳しく解説します。
人中が長く見える原因
人中が長く見える原因には、遺伝のほか、表情筋の低下や歯並びなどがあると考えられています。 加齢や生活習慣によって表情筋が衰えると、口周りのシワやたるみが目立つようになります。そうなると、骨格に変化がなくても人中が伸びたように見えることがあるのです。 また、上の前歯が前方に出ている「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」の場合、前歯によって鼻の下周辺の皮膚が内側から押し上げられるため、人中が長く見えてしまうことがあります。

人中短縮手術の目的
人中短縮手術とは、鼻下の皮膚や口周辺の筋肉を切除し、鼻と上唇との距離を縮めるために行われる手術のことで、「リップリフト」とも呼ばれます。 人中が長いと、老けた印象に見られたり、顔のバランスが悪く間延びした印象になってしまったりすることがあります。こういった見た目の印象を改善し、鼻と上唇の距離を理想的なバランスに近づけるために行われるのが人中短縮手術です。
人中短縮手術のメリット
人中短縮手術を行うことで、具体的にはどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは人中短縮手術のメリットを3つお伝えします。
小顔に見える
人中が長いと、顔が間延びした印象になり大きく見えてしまいます。人中短縮手術で人中を短くすると間延びした印象が改善され、小顔に見えるようになります。
顔の印象が若々しくなる
人中が長いと、顔の下半分が長く見えるため老けた印象を与えてしまいます。人中短縮手術で人中を短くすると顔のバランスが整い、顔の印象が若々しくなります。
メリハリのある顔つきに
人中が長いと、顔が平たく、のっぺりとした印象に見えてしまいます。人中短縮手術で人中を短くすると、上唇が上向きになり口元が強調されます。メリハリのある顔つきが手に入るでしょう。

人中短縮手術のデメリットやリスク
見た目の印象を改善できる人中短縮手術ですが、一方でデメリットやリスクもあります。ここからは人中短縮手術のデメリットやリスクを解説します。
元に戻すことができない
人中短縮手術は皮膚を切除する手術です。そのため元に戻すことはできません。手術後に顔のバランスが悪くなるリスクも十分考えられますので、手術を受けるかどうかしっかりと検討しましょう。
鼻柱・鼻先が下向きになることがある
鼻の下の皮膚を切除することによって、鼻の穴の間にある「鼻柱」の部分が引っ張られ、鼻柱や鼻先が下向きになることがあります。組織を多く切除するほど、鼻柱や鼻先が下向きになったり鼻下の違和感を抱いたりしやすいようです。
傷跡が目立つことがある
人中短縮手術はメスを使って行う手術ですので、傷跡が残るリスクがあります。手術担当医のの技術が不十分な場合、手術後の縫合跡が目立ってしまうこともあります。 特に、人中はケロイドになりやすい部分です。もともとケロイド体質の人は炎症が強く出やすいことが知られています。傷跡の範囲が広がりやすく、目立ってしまうこともあるでしょう。
ガミースマイルになることがある
笑うと歯茎が見える顔つきのことを「ガミースマイル」といいます。もともとガミースマイルの人が人中短縮手術を行うと、歯茎がより大きく見えるようになり、ガミースマイルの程度が強くなることがあります。 また、鼻の下を短くしすぎたり、もともと人中が長くない人が人中短縮手術を受けたりした場合、手術後にガミースマイルになることもあるようです。
▶ガミースマイルについてはこちらの記事をご覧ください。 笑うと歯肉が目立つ?ガミースマイルとは
口呼吸になりやすくなる
人中短縮手術で鼻の下を短くしすぎると、上唇が上向きに引っ張られます。そうなると口を閉じることが難しくなり、口呼吸になりやすくなります。口の中が乾燥したり口臭が悪化したりするなど、口腔トラブルが起こりやすくなってしまうでしょう。
▶口呼吸によって起こり得る「口腔乾燥症(ドライマウス)」についてはこちらの記事をご覧ください。 口腔乾燥症(ドライマウス)とは?症状や原因、治療法を紹介
感染症などを引き起こすことがある
まれなケースではありますが、手術時の傷口から細菌やウイルスが侵入し、感染症を引き起こすことがあります。手術後の傷口に腫れや膿が生じた場合は感染症の疑いがありますので、すぐにクリニックに相談しましょう。

人中短縮手術は慎重に検討を
人中短縮手術には顔の印象を良くするというメリットがあります。一方で、デメリットやリスクもたくさんあります。人中短縮手術を考えている人は、人中短縮手術についてしっかり理解することが大切です。事前に正しい知識を得たうえで慎重に検討してください。
筆者:seeker編集部