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コラム>小児歯科

2024/08/29

学校歯科健診でわかることは?学校歯科健診の目的、歯科医院での検診との違いについても解説

学校で毎年行われる歯科健診は、お子さんの歯と口の健康状態を確認する大切な機会です。しかし、学校歯科健診でわかることには限界があります。

この記事では、学校歯科健診の目的や内容、そして歯科医院で行う検診との違いについて詳しく解説します。学校歯科健診の結果の見方や、健診後の対応についてもアドバイスしますので、お子さんの歯と口の健康管理に役立ててください。


学校歯科健診とは?

学校歯科健診は、学校保健安全法に基づいて定期的に実施される、児童生徒の歯と口腔の健康状態を確認する重要な取り組みです。施行規則で、毎学年6月30日までに行うものと定められています。

この健診の主な目的は、子どもたちの歯科疾患を早期に発見し、適切な治療につなげることで、健康な歯と口腔を維持することにあります。また、健診を通して子どもたち自身が自分の歯と口腔の健康状態を理解し、予防意識を高めることも重要な目的の一つです。



学校歯科健診での主なチェック項目

虫歯の有無

歯科医師が歯の表面や隣接面を観察し、虫歯の有無を確認します。虫歯が見つかった場合、その治療状況も確認します。着色や白斑など虫歯の初期症状が疑われる歯は、経過観察が必要な歯として記録されます。


歯肉の状態

歯肉の炎症や腫れ、出血の有無も確認します。歯肉に問題がある場合は、ブラッシング指導などのアドバイスが行われます。


歯垢の付着状態

歯垢(プラーク)の付着状態も観察します。歯垢は虫歯や歯周病の原因となるため、毎日の歯みがきできちんと落とすことが大切です。歯みがきの指導が行われることもあります。


歯並び・かみ合わせ・顎の状態

歯並びやかみ合わせ、顎の発達状態も観察します。これは将来的に口腔機能に影響を及ぼす可能性があるかを確認しているのです


乳歯の生え変わりを確認

乳歯から永久歯への生え変わりの状態も確認します。乳歯が残っていたり、永久歯が生えてくるのが遅れていたりする場合は、歯科医院の受診をすすめられることもあります。




学校歯科健診と歯科医院での検診の違い

検査の目的と範囲

学校歯科健診は、集団を対象とした スクリーニング検査であるのに対し、歯科医院での検診は個人を対象とした精密検査です。学校歯科健診は、多くの子どもたちの口腔の健康問題を早期発見することを目的としています。一方、歯科医院での検診は、より詳細な検査を行い、具体的な治療方針を決定することが目的です。


検査の精度

学校歯科健診では、限られた時間と設備で行われるため、目視によるチェックが中心です。そのため見落としがある可能性もあります。一方、歯科医院での検診は十分な時間と設備のもとで行われるため、より高い精度が期待できるでしょう。


検査の頻度と時間

学校歯科健診は、通常年に1回行われますが、歯科医院での検診は、一人ひとりの歯や口腔の状態に応じて年に数回行われます。また、学校歯科健診は短時間で多くの子どもたちを診る必要があるため、1人あたりの診察時間が限られていますが、歯科医院での検診は、治療内容に応じて必要な時間を確保して診察してもらえるという違いがあります。


検査後のフォローアップ

学校歯科健診の結果は保護者に通知され、その後の歯科医院の受診は保護者の判断に委ねられます。一方、歯科医院での検診では、その場で詳しい説明や治療方針の提案がされ、継続的なフォローアップが可能です。



学校歯科健診の結果の用紙をもらってきたら

健診結果の内容を確認する

学校歯科健診の結果の用紙を受け取ったら、まずはその内容をしっかりと確認しましょう。学校により用紙のフォーマットや表現に多少の違いはあるかもしれませんが、健診結果について「異常なし」「要観察」「要精検」の3段階で記されています。それぞれ数字で「0」「1」「2」で表される場合もあります。記載されている主な項目は以下のとおりです。

  • 虫歯の有無
  • 歯肉の状態
  • 歯並び・かみ合わせの状態
  • 顎関節の状態/li>
  • 歯垢の付着状態
  • 処置が必要な乳歯の有無
  • 「要精検」の項目に〇やチェックがある場合は、早めに歯科医院を受診するようにしましょう。また、「異常なし」「要観察」の場合も、虫歯やその他の項目に異常がないことが保証されたわけではありません。予防や早期発見・治療のためにも歯科医院での定期検診をおすすめします。


    歯科医院を受診する

    健診結果で問題が指摘された場合は、なるべく早めに歯科医院を受診しましょう。学校歯科健診はあくまでスクリーニング検査であり、詳細な診断や治療は歯科医院で行う必要があります。歯科医院での詳しい検査を通じて、適切な治療計画を立てましょう。


    家庭でのケアを見直す

    学校歯科健診の結果を受けて、家庭での口腔ケアも見直すことが重要です。毎日の歯みがきの方法やフロスの使用、バランスの取れた食事や規則正しい生活など、家庭でできるケアを見直しましょう。



    まとめ

    学校歯科健診は、お子さんの歯と口腔の健康状態を定期的にチェックするよい機会ですが、あくまでスクリーニング検査であり、精密検査ではありません。虫歯や歯周病の早期発見・早期治療のためには、定期的な歯科医院での検診が欠かせません。学校歯科健診の結果を参考にしつつ、お子さんの歯と口腔の健康を守るために、家庭でのケアと歯科医院での専門的なケアを組み合わせていきましょう。



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    筆者:seeker編集部

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