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2024/10/03
虫歯とは?特徴や原因、治療方法、予防方法まで網羅的に解説
虫歯は、私たちの生活においてとても身近な問題です。 しかし、その具体的な特徴や原因、そして効果的な治療方法や予防方法について詳しく知っている人は意外に少ないかもしれません。 本記事では、虫歯の基本的な情報から、その進行過程や予防方法、最新の治療方法まで網羅的に解説します。虫歯についての知識を深め、いくつになっても健康な歯を保ちましょう。
【段階別】虫歯の特徴
虫歯とは、虫歯菌が出す酸により歯が溶け、穴が開いたり痛みが出たりする症状のことを指します。 虫歯には下記のように段階ごとに異なる特徴や症状があります。
虫歯の初期段階(C0・C1)
C0とは、歯の表面のエナメル質が少し溶け始めていますが、まだ穴は開いていない状態です。痛みはなく歯の表面が白く濁っています。 C1では、 エナメル質に茶色や黒い小さな穴ができ、ざらざらしてきます。この段階まで痛みや不快感はほとんどありません。
虫歯の中期段階(C2)
中期段階の虫歯(C2)では、エナメル質に穴が開き、下にある象牙質にまで虫歯が進行します。この段階になると、冷たいものや甘いものなどを摂取したときに歯にしみることも多いでしょう。
虫歯の後期段階(C3)
後期段階(C3)になると、虫歯は象牙質を越えて歯の神経にまで達します。この部分は非常に敏感なため、強い痛みを感じることが多くなります。 冷たいものや甘いものを口にしたときの痛みが続くこともあるでしょう。 歯に大きな穴が開いたり黒く変色したりして、はっきりと虫歯を視認できるようになります。
虫歯の末期段階(C4)
末期段階(C4)では、虫歯が歯の根元まで深く進行し、歯全体にまで広がります。 表面の歯は失われ、歯の根元部分だけが残る状態です。 虫歯の末期になると細菌が大量に増殖しているため、口臭が強くなっている可能性が高いです。 この段階では痛みが非常に激しくなりますが、さらに進行すると逆に痛みを感じなくなります。
虫歯の3大要因
虫歯の3大要因は、食生活・歯質・細菌です。これらの要因がどのように虫歯を引き起こすのか詳しく見ていきましょう。
食生活
食生活は虫歯の主要な要因の一つです。特に、糖分を多く含むものを頻繁に摂取すると、虫歯リスクが高まります。糖分が口内の細菌により分解されると酸が生成され、これが歯のエナメル質を溶かしてしまうのです。 食事の回数や間食の頻度も虫歯の発生に影響を与えます。食後は口内環境が酸性に傾くため、糖質が長時間口の中に残ると、歯が溶けやすくなります。食事の回数が多いと虫歯のリスクが高くなるため、注意が必要です。
歯質
エナメル質の硬さや厚さ、歯の形状などの歯質は、虫歯のなりやすさに大きな影響を与えます。
エナメル質が薄かったり、歯に溝や凹凸が多かったりすると、食べ物の残りや細菌がたまりやすくなります。また、歯並びが悪い場合は歯磨きが難しくなり、磨き残しによって虫歯が発生しやすくなるでしょう。
歯質は生まれつきのものであり、遺伝や成長過程によって異なります。虫歯になりやすい歯質の人は、このあと紹介する「虫歯を予防するための3つの心がけ」を特に意識してみてください。
細菌
口内に存在する細菌、主にミュータンス菌が虫歯発生の大きな要因です。ミュータンス菌はプラーク(歯垢)として歯の表面に付着します。食べ物に含まれる糖分を分解して酸を生成し、エナメル質を溶かして虫歯を引き起こします。
▶虫歯の要因については、次のコラムもご覧ください。 虫歯の仕組み、4つの要因とは?
【段階別】虫歯の治療方法
虫歯の進行具合によって、適切な治療方法は異なります。それぞれの段階に応じた治療方法を知ることで、早期発見・早期治療を行い、歯の健康を保ちましょう。以下では、虫歯の段階別に応じた治療方法を詳しく解説します。
虫歯の初期段階(C0・C1)
C0初期段階の虫歯(C0)では歯を削らず、フッ素塗布などの予防処置が一般的です。フッ素塗布によって、エナメル質の再石灰化を促します。あわせて、食生活やブラッシング習慣の改善が推奨されます。
歯磨き粉やマウスウォッシュにフッ素を含む製品を使用し、虫歯の進行を防ぎましょう。
C0から少し進んだC1の場合、症状が軽ければC0と同様の処置を行いますが、そうでない場合は虫歯部分を削り詰め物をします。
いずれにせよ、この初期段階で虫歯の治療を行うことがとても大事です。
虫歯の中期段階(C2)
中期段階(C2)では、虫歯部分を削り取り、その後コンポジットレジン(合成樹脂)などの詰め物を詰めます。これにより虫歯の進行を止め、歯の機能と形状を回復させます。
虫歯の後期段階(C3)
後期段階(C3)では、根管治療(神経治療)が必要です。根管治療では、歯の内部の感染した神経や血管を取り除き、消毒した後に詰め物を入れます。その後、クラウン(被せ物)を装着して歯の強度を保ちます。
虫歯の末期段階(C4)
末期段階(C4)まで進行すると、歯を保存することが難しくなり、抜歯が必要となることが多いです。抜歯後は、ブリッジやインプラント、義歯などの補綴(ほてつ)治療を行い、失った歯の機能と見た目を回復させます。
虫歯を予防するための3つの心がけ
虫歯を防ぐためには、日常生活の中での意識が重要です。以下の3つの心がけを実践することで、虫歯リスクを大幅に減らせます。健康な歯を保つために、ぜひ参考にしてください。
食生活に気をつける
虫歯予防の基本は、バランスの取れた食生活です。特に糖分を多く含む食品や飲み物の摂取を控えましょう。また、間食の回数を減らすことで酸の生成を抑えられます。再石灰化の時間を確保できるため虫歯予防に効果的です。
適切に歯磨きを行う
正しい歯磨きは、虫歯予防の最も効果的な方法の一つです。食事の後はしっかりと歯を磨き、プラークや食べかすを除去しましょう。
また、寝ている間は唾液の分泌が減るため、細菌が繁殖しやすいです。寝る前の歯磨きは特にしっかりと入念に行いましょう。
フッ素入りの歯磨き粉もおすすめです。歯ブラシの角度や力加減にも注意して磨いてください。
▶正しい歯磨き方法については、次のコラムもご覧ください。 オーラルケアの基本!歯みがきの方法や時間、歯ブラシの選び方を徹底解説!
体調やメンタルを整える
意外かもしれませんが、全身の健康状態やメンタルヘルスも虫歯予防に影響を与えます。ストレスや疲労がたまると免疫力が低下し、虫歯菌に対する抵抗力も弱くなってしまうからです。
規則正しい生活を送り、十分な睡眠と運動を心がけることで、体調やメンタルを整えましょう。
▶虫歯になりやすい習慣については、次のコラムもご覧ください。 毎日歯を磨いているのに…虫歯ができるのはなぜ?
虫歯になる前に予防することが大切
虫歯は予防が最も重要です。日常的な心がけで健康な歯を維持し、将来的なトラブルを防げます。
今日から、食生活に気をつけること・適切に歯磨きを行うこと・体調やメンタルを整えることを意識してみてください。加えて、定期的な歯科検診も大切です。しばらく歯科検診を受けていないという方は、歯科医院の予約を取ることからはじめてみましょう。
筆者:seeker編集部