歯科クリニックの診療科には、一般歯科や小児歯科、矯正歯科、口腔外科があり、審美歯科と呼ばれる診療科はありません。しかし、「審美歯科」という言葉自体を見聞きする機会は増えているのではないでしょうか。

今回は審美歯科についてお伝えするとともに、審美歯科の種類やメリット・デメリットについても解説します。

審美歯科とは？

審美歯科とは、歯の見た目を良くするために行う治療のこと。ただ単に虫歯や歯周病を治すのではなく、審美的観点を重視して治療を行うのが特徴です。そのため、基本的には保険が適用されません。審美歯科の治療を受ける場合は、全額自己負担となる自由診療、または保険診療＋自由診療となります。

また、審美歯科では、使用する材料や器材に制限がありません。歯科治療にセラミックやジルコニアといった自然歯と相違ない見た目の材料を使用したり、審美的な被せ物を作るのが得意な技工所と提携していたりと、審美性を高めるための設備が整っている傾向にあります。

審美歯科の種類

審美歯科ではさまざまな治療が行われています。審美歯科で行われる主な治療について見ていきましょう。

クリーニング

クリーニングは歯の着色や汚れを落とす施術です。セルフケアでは落としきれない汚れをクリーニングで除去します。定期的なクリーニングを行うことで、着色や汚れが歯の内部に浸透しないようにすることが可能です。

歯のクリーニングは、歯周病治療などの治療が目的で行われる場合、保険適応となります。保険適応の可否については、歯科クリニックで確認しましょう。

▶クリーニングについては次のコラムをご覧ください。
気になる点に合わせて選ぼう　歯科クリーニングの種類と特徴

ホワイトニング

ホワイトニングは、歯を削ることなく、着色汚れを分解することで歯を白く見せる施術です。毎日のセルフケアや歯のクリーニングでは落としきれない着色汚れを、歯に使用するホワイトニング剤を使って分解・漂白します。

審美性を高めるのに効果的ですが、歯の白さを維持するためには定期的に施術を受ける必要があります。

▶ホワイトニング治療の流れについては次のコラムをご覧ください。
ホワイトニング治療の流れを解説！

歯科矯正

歯科矯正とは歯並びを整える治療のことです。ワイヤー矯正やマウスピース矯正など時間をかけてゆっくりと歯を動かしていく矯正と、天然歯を削って被せ物をすることで審美性を高めるセラミック矯正があります。

▶歯科矯正については次のコラムをご覧ください。
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インプラント

インプラントは、歯を失った場所に人工の歯根を埋め込んで、その上に人工歯を装着する治療です。

部分入れ歯やブリッジは、外れやすいだけでなく、どうしても前後の歯に負担がかかってしまいます。これに対しインプラントは、歯根を埋め込むため、天然歯とほぼ同等の見た目・機能を得ることができます。

▶インプラント治療の流れについては次のコラムをご覧ください。
一般的にも知られるようになった「インプラント」治療の流れを解説！

セラミック治療

歯科治療で使用されるセラミックは、被せ物やインプラント治療などに用いられる材料のひとつです。

種類によっては天然歯とかわらない白さや色味をしているため、治療跡がわかりにくいと言われています。また、劣化しにくい素材であるため、傷がついたり割れたりしにくい点も魅力です。加えて、金属アレルギーの心配もないなど、歯科治療にセラミックを選ぶメリットは豊富にあります。

▶被せ物にセラミックを使うメリット・デメリットについては、次のコラムをご覧ください。
奥歯の被せ物、セラミックと金属どちらを選ぶ？メリット・デメリット徹底比較！

審美歯科のメリット

審美歯科の治療で理想的な歯並びや歯の色味になると、顔の印象が変わり、コンプレックス解消につながるでしょう。

加えて、歯の隙間にたまった歯垢や歯石をクリーニングで定期的に除去したり、歯科矯正で歯並びが整い、歯ブラシやフロスを使ったセルフケアを行いやすくすることで、虫歯や歯周病のリスクを減らすことも期待できます。

審美歯科のデメリット

審美歯科は基本的に自由診療であるため、治療費が高額になりやすいです。

また、継続的なメンテナンスが必要な場合も多く見られます。クリーニングやホワイトニングによる色味の調整は定期的に施術を行う必要がありますし、歯科矯正は治療期間が長くなりやすいです。またインプラントやセラミック治療の場合は、定期的なメンテナンスだけでなく、経年劣化による再治療が必要なケースもあります。

このように、メンテナンスに費用がかかったり、再治療のために通院が必要だったりする点をデメリットに感じる人もいるかもしれません。

口周りに悩みがある場合は審美歯科に相談を

審美歯科は、費用や治療期間にデメリットを感じる人もいるでしょう。しかし、見た目が良くなることに加え、虫歯や歯周病のリスクが軽減されるという魅力もあります。長い目で見ると高い費用対効果も期待できるでしょう。

お口周りに悩みがある場合は審美歯科に相談してみてはいかがでしょうか。

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筆者：seeker編集部