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2024/11/14
歯の磨きすぎはNG!オーバーブラッシングのサインを解説
歯を健康に保つためには、日々の歯磨きが欠かせません。 しかし、歯を磨きすぎてしまうと、逆に歯や歯茎を傷つけてしまう「オーバーブラッシング」という問題が起こってしまうので注意が必要です。 本記事では、オーバーブラッシングのサインやデメリット、そして適切なブラッシング方法について解説します。
歯を磨きすぎるデメリット
歯を磨きすぎると、オーバーブラッシングになってしまい、歯や歯茎に多くの悪影響を与える可能性があります。代表的なデメリットは以下の通りです。
歯肉が退縮する・傷ができる
強い力でブラッシングを続けると、歯肉が下がり、歯茎が退縮してしまいます。歯茎が下がると、歯の根が露出し、審美的な問題が出るだけでなく虫歯の危険性も高まるのです。
また、過度に力をかけて磨くことで、歯茎に物理的なダメージが加わり、小さな傷ができることがあります。この傷により炎症が起き、最悪の場合には感染症を引き起こすこともあるでしょう。
知覚過敏になる
強い力で歯を磨くと歯のエナメル質が削れ、歯の内部にある象牙質が露出する恐れがあります。象牙質には外部からの刺激を伝える無数の管があります。この管を通じて、冷たい飲み物や食べ物を口にした時に歯がしみる「知覚過敏」が引き起こされることがあります。
▶オーバーブラッシングのデメリットについては、次のコラムもご覧ください。 歯のみがきすぎ、オーバーブラッシングについて
歯を磨きすぎているサイン
オーバーブラッシングの怖さは、自身が気づかないうちに少しずつ歯や歯茎にダメージを与える点。以下のサインをチェックすることで、自分がオーバーブラッシングをしているかどうか確認しましょう。これらのサインに気づいたら、すぐに対策を取ることが大切です。
歯ブラシの毛先が開いている
歯ブラシの毛先が広がっている場合、それは歯に歯ブラシを当てる力が強すぎる可能性が高いサインです。毛先が広がった歯ブラシでは適切な力がかからず、歯垢を適切に除去できないため、歯ブラシの寿命は通常1〜2ヶ月ほどですが、もしそれよりも早く毛先が広がってしまう場合は、オーバーブラッシングを疑いましょう。
歯が染みる
冷たい飲み物やアイスクリームを食べた時に「キーン」とした痛みを感じる場合は注意しましょう。オーバーブラッシングが続き、本来歯の内側にあるべき象牙質が露出してしまっている恐れがあります。象牙質には歯髄までつながる無数の小さな管があるため、少しの刺激を受けただけでも痛みとして知覚してしまうのです。
歯茎が腫れている
歯を磨く際に歯茎にも過度な力が加わってしまうため、歯茎が腫れている場合もオーバーブラッシングの可能性が高いです。 歯茎が腫れる原因は様々ですが、歯磨きの力が強すぎることで、歯茎が傷つき、そこから炎症が起きます。さらに、腫れた状態の歯茎に歯ブラシの毛先が鋭く当たってしまうと、より炎症がひどくなってしまいます。
歯の表面がデコボコしている
歯を舌で触った時に、ザラザラ、またはデコボコしていると感じる場合、表面のエナメル質が削れている可能性があります。エナメル質は歯の最外層に位置し、硬く滑らかな表面を持っていますが、オーバーブラッシングによって削れると、象牙質が露出し、表面が不規則になってしまいます。
特に硬い歯ブラシや、研磨剤が入ったホワイトニング効果がある歯磨き粉で強く磨いてしまうと、エナメル質が傷つきやすくなるでしょう。この状態が続くと、歯が弱くなり、虫歯になりやすくなるだけでなく、歯全体の健康が損なわれてしまいます。
歯の磨きすぎを防ぐブラッシング方法
オーバーブラッシングを防ぐためには、いくつかの注意点を守りながら歯磨きをすることが重要です。
優しくブラッシングする
強く磨くことが効果的だと思いがちですが、実際には歯ブラシを歯に当てたときに毛先が広がらない程度の優しい力でブラッシングする方が歯や歯茎に負担をかけずにきれいに保てます。歯ブラシはペンを持つように軽く握り、力を抜いて磨くことが理想的です。
さらに、円を描くような動きでブラッシングすることで、歯茎への負担を減らしながら効率的に歯垢を除去しましょう。
同じ場所を繰り返し磨かない
特定の場所を繰り返し磨くとその部分だけ過度に磨かれ、歯に負担がかかります。全体的にまんべんなくブラッシングし、バランスよく磨くことを心がけましょう。一つの場所に集中せず、歯全体を均一に磨くようにすることで、オーバーブラッシングのリスクを低減できます。
適切な時間を守って磨く
1回の歯磨きに時間をかけすぎると、必要以上にエナメル質を削ってしまうリスクが高まります。一般的には2〜3分程度のブラッシングがおすすめです。 時間を守って磨くことで、オーバーブラッシングを防げます。タイマーを使って時間を計るのも効果的です。
▶歯磨きの仕方については、次のコラムもご覧ください。 歯磨きのしかたを学ぼう!
歯の磨きすぎに注意してケアしよう
オーバーブラッシングは知らず知らずのうちに歯や歯茎に悪影響を与えてしまいます。正しいブラッシング方法を取り入れて、歯を健康に保つためのケアを心がけましょう。毎日の習慣が将来の口腔環境を大きく左右するため、適切な方法でしっかりとケアを行うことが重要です。
筆者:seeker編集部