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2023/01/19
【歯のクリーニング】数回かかるのはなぜ?お口の中の状態で頻度が変わる!?

歯のクリーニングは1回で完了するケースもあれば、数回にわたって行うケースもあります。それぞれどのような違いがあるのでしょうか。今回は歯のクリーニングについて詳しく見ていきましょう。
歯のクリーニングを数回に分けるケース
まずは、歯のクリーニングを数回に分けるケースについて具体的に見ていきましょう。
口腔内の状態が悪い
歯肉炎や歯周病などを患っていたり、歯石の量が多かったり硬かったりする場合は、治療に時間がかかります。また、歯周ポケット内の奥深くに歯石がある場合は、1回で除去してしまうと、歯肉が腫れたり痛みが生じたりする可能性があります。このように口腔内の状態が悪い場合は、患者さんの負担を減らすためにクリーニングの回数を増やすことが必要です。 そのほか、口腔内の状態が悪い患者さんには、クリーニング後の状態チェックや歯ブラシ指導の経過観察などを目的として、クリーニングを数回に分けている場合もあります。
スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
スケーリング・ルートプレーニング(SRP)とは、歯茎の奥に付いた歯石を取り除く方法のことです。歯周病が進行している場合、歯周ポケットが深くなっているため、歯石も歯茎の奥深くにできやすいと言われています。 こういった歯石を取り除くためには、通常より細いスケーラーで処置しなければなりません。1度に4~6本しかスケーリングできないため、数回に分ける必要があります。 ただし、スケーリング・ルートプレーニングが可能なのは、歯周ポケットが4mmまでの場合。4mm以上の場合は外科手術を検討する場合もあるようです。

歯石については以下の記事をご覧ください。 気になる歯石…自分で取れる?危なくない?
歯のクリーニングが1回で完了するケース
歯のクリーニングが1回で完了するケースとして、保険適用外のクリーニングがあげられます。 保険適用内のクリーニングは、1回で全体のスケーリングを行ってはいけないルールになっています。しかし、保険適用外のクリーニングであれば自由診療となるため、1回で完了させることが可能です。ただし、費用が高くなりやすく、施術後に痛みや腫れが出ることもあるため、歯科医と相談して決めるようにしましょう。
クリーニングの種類と特徴については以下の記事をご覧ください。 気になる点に合わせて選ぼう 歯科クリーニングの種類と特徴
【状態別】歯のクリーニングの頻度
歯のクリーニングの頻度は、口腔内の状態や体質によって異なります。ここでは状態別に歯のクリーニングの頻度について見ていきましょう。
虫歯がなく口腔内の状態が良い人
虫歯がなくお口の状態が良い人は、3か月に1回程度のクリーニングで良いと言われています。 日頃から丁寧に歯磨きを行っている人で、歯周ポケットが3mm以下であれば、自分でプラークを落としやすいためプラークや歯石が少ない傾向にあります。お口に汚れが溜まりにくい状態であるため、クリーニングの頻度も3か月に1回程度で良いでしょう。
歯石が付きやすい人
だ液や歯の性質によって、歯石が付きやすい人がいます。このようなタイプの人は、どんなに丁寧に歯磨きを行ったとしても歯石ができてしまうため、頻繁にクリーニングを行う必要があるでしょう。1~2か月に1回程度、クリーニングを行うことをおすすめします。
着色汚れが付きやすい人
喫煙やコーヒー、紅茶などを摂る習慣がある人は、着色汚れが付きやすいと言われています。歯のクリーニングは、歯石やプラークだけでなく着色汚れも落とせるため、1~2か月に1回程度クリーニングを行うのがおすすめです。 また、喫煙は歯周病の原因とも言われています。喫煙者は歯周病の早期発見・早期治療を行うためにも、定期的にクリーニングを行いましょう。

虫歯ができやすい人
歯石が付きやすい人と同様に、だ液や歯並びなどによって虫歯になりやすい人がいます。正しい歯磨きの仕方を身につけることはもちろん、歯科医による虫歯チェックを兼ねたクリーニングを行うことで、虫歯の早期発見・早期治療が可能となります。1~2か月に1回程度受診するようにしましょう。

歯周病にかかっている人
歯周病にかかっている人は、プラークコントロールが大切です。プラークをなるべく取り除くことで、歯周病の進行を遅らせることができます。 歯周ポケットが4mm以上の場合、自身で歯茎の隙間のプラークを取り除くことは難しいため、日頃の歯磨きに加え定期的なメンテナンスが必要です。1~2か月に1度はクリーニングを行うようにしましょう。
歯のクリーニングにかかる時間はそれぞれ
歯のクリーニングにかかる時間は、口腔内の状態や歯科医の判断によってさまざまです。同じ状態でも、数回に分けてクリーニングする歯科医もいれば、1回で完了する歯科医もいます。 治療時間や期間が気になる場合は、遠慮せずに歯科医に確認するのがおすすめです。
筆者:seeker編集部