コラム>小児歯科
2023/03/23
子供が歯科受診を始めるタイミングと予防歯科の重要性

いつから子供の歯科受診を始めたらよいのか迷っている人はいませんか。今回は、子供が歯科受診を始めるタイミングについてお伝えするとともに、子供に対して行う予防歯科や歯科治療についても解説します。
子供が歯科受診を始めるタイミングは?
歯が一本も生えていない赤ちゃんは、虫歯になる心配はありません。歯が生えるまでは、歯科受診は必要ないでしょう。 子供が歯科受診を始めるきっかけには以下の3つが挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
歯の生え始め
乳歯が生え始めた頃が、歯科受診を始める最初のタイミングといえます。生えたての乳歯は、エナメル質が永久歯の半分ほどしかなく、虫歯になりやすい状態です。 乳歯が生え始めた段階で歯科受診を始め、歯磨きのポイントや食習慣などの指導を受けておくと、将来の虫歯リスクを軽減できるでしょう。
歯が生えそろったタイミング
上下の歯が生えそろったタイミングで受診を始めるのも良いでしょう。多くの場合、1歳半~3歳の間に乳歯が生えそろうといわれています。この時期に歯科受診をすると、虫歯のチェックに加えて、正しいブラッシングや食習慣を確認することが可能です。 乳幼児健康診査でも歯科検診があります。そこで歯科受診をすすめられた場合は、必ず受診するようにしましょう。

生え替わりの時期
乳歯から永久歯に生え変わるのが6歳~12歳です。この時期は、抜けている歯や生え始めた歯が混在するため、ブラッシングが難しいと感じる人も多いでしょう。 歯垢や歯石が溜まると、虫歯や歯周病の原因になります。定期的に歯科を受診して、口腔内をチェックしてもらいましょう。
子供の歯科受診で行う予防歯科
子供の予防歯科では、ブラッシング指導やフッ素塗布が行われます。
ブラッシング指導
丁寧にブラッシングを行うことは、虫歯予防の第一歩。子供の頃から正しいブラッシングを身につけておけば、その後の歯のトラブルを防ぐことができるでしょう。 また、歯が生え変わる時期に一度は、ブラッシング指導を受けておくのがおすすめです。歯が抜けている部分や永久歯が生え始めている部分がある6歳~12歳頃は、子供によって正しいブラッシング方法が異なります。 この時期は、歯科医や歯科衛生士の指導にならって、ブラッシングができるようになる年齢でもあります。永久歯の虫歯を防ぐためにも、ブラッシング指導を受けておきましょう。

フッ素塗布
フッ素の役割は、歯の再生や強化を促すことです。乳歯や生え始めの永久歯は、成長が未熟なため虫歯にかかりやすいといわれています。フッ素塗布には虫歯予防の効果が期待できるため、定期的に処置をしておくのがおすすめです。
子供の歯科受診で行う治療
子供の歯科受診で行う治療は、虫歯治療のほかに抜歯や矯正などが挙げられます。
虫歯治療(サホライド)
虫歯治療というと、虫歯部分を削って薬剤を埋めこんだり、被せ物をしたりするイメージがあるかもしれません。しかし、幼い子供にはそういった処置ができない場合もあります。 幼い子供の場合は、虫歯の進行を止める「サホライド」と呼ばれる薬剤を塗布することがあります。サホライドは虫歯部分を黒く変色させますので、歯が抜けるまでの間、経過観察をすることが可能です。
抜歯
成長段階で歯並びに影響を与える可能性がある歯がある場合、歯を抜くことがあります。抜歯というと、虫歯や親知らずなどをイメージする人も多いでしょうが、子供の場合、将来の歯並びを考えて抜歯するケースもよくあります。
矯正
歯並びが悪い場合は矯正を行います。子供の矯正は、永久歯に生え変わり始める6歳~10歳にかけて始めるのが良いようです。 矯正方法には、ブラケット矯正やマウスピース矯正などさまざまなものがあり、歯やあごの状態に適したものを選ぶことになります。
▶矯正については次のコラムをご覧ください。 矯正方法のメリット・デメリット。あなたにオススメの矯正方法は?
子供の歯科受診が不安な時の歯科クリニックの選び方
子供の歯科受診を迷っているという親は少なくありません。「診察台におとなしく横になれるか」「指示通りに口を開けられるか」「嫌がって泣かないか」「歯科医の指をかんだりしないか」など、親が子供の歯科受診をためらう理由を挙げればきりがないでしょう。 しかし、乳歯が生え始めたら、なるべく早く歯科受診を始めるのがおすすめです。定期的に歯磨き指導や虫歯チェックを行うことで、子供が歯科受診に慣れやすくなります。 子供の歯科受診が不安であれば、小児歯科を掲げている歯科クリニックや、子供が喜びそうな内装の歯科クリニックを選びましょう。 また、口コミをチェックするのもひとつの方法です。歯科医や歯科衛生士が子供に慣れているといったような内容の口コミがあれば、安心して通えるかもしれません。

▶子供の歯のためにできることについては、次のコラムをご覧ください。 丈夫な歯を作ろう!子供のために今すぐできること
歯科受診で子供の虫歯を予防しよう
子供の歯は成長が未熟なため虫歯になりやすいもの。虫歯を予防するためには、なるべく早く歯科受診を始めることが大切です。 定期的に通うためには、自宅から通いやすい場所にある歯科クリニックを選ぶのがおすすめです。記事内で紹介した選び方も参考にしてみてくださいね。
筆者:seeker編集部