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2024/02/15
歯科心身症とは?症状や治療法について解説
歯科心身症という言葉をご存じでしょうか。歯科心身症では、さまざまな症状が口腔内に現れます。しかし、その原因が歯や口の中にあるわけではないため、通常の歯科治療では改善しません。 歯科治療をしても不快な症状が続くため、患者さんにとっては非常につらい病気の1つでしょう。そこで今回は、歯科心身症の特徴や症状、治療法についてお伝えします。
歯科心身症とは
歯科領域には、虫歯や歯周病、顎関節症など原因がはっきりしている疾患がある一方で、症状に対して対処・治療を行っても症状が継続する原因不明の疾患があります。原因不明の歯科的症状が継続する疾患が「歯科心身症」です。 歯科領域には口腔内だけでなく、顔や顎、口が含まれます。これらの部位に原因不明の症状が、長期間、継続して現れるのが歯科心身症の特徴です。
歯科心身症の症状
日本歯科心身医学会によると、歯科心身症の特徴として次のようなものが挙げられています。
こういった症状が見られる人は、歯科心身症の可能性があります。原因不明の歯科心身症ですが、その症状に合わせた疾患名がついているものもあります。 疾患名がついている歯科心身症について見ていきましょう。
舌痛症
舌痛症とは、舌に原因がないにもかかわらず、痛みを感じる症状のことです。舌の痛みやヒリヒリ感、火傷のような感覚があるのが特徴です。食事中は症状が現れにくいため、ガムやアメなどで症状を緩和させるといった対処法が選択されます。
非定形歯痛
非定形歯痛とは、原因不明の歯の痛みのことです。同じ歯だけに痛みを感じる場合もあれば、いろいろな歯に痛みが移っていく場合もあります。そのほかにも、以下のような症状があります。
▶痛み止めが効かない歯の痛みについては、次のコラムをご覧ください。 痛み止めが効かない歯の痛みはどんなときに起こる?
咬合違和感症候群
咬合違和感症候群とは、新しく被せ物やブリッジ、入れ歯などの治療を行ったあとから、噛み合わせが合わないことを指します。調整後も改善しなかったり、調整直後は改善するがしばらくすると噛み合わせが悪くなっているように感じたりします。
▶ブリッジについては、次のコラムをご覧ください。 ブリッジとは?メリット・デメリットと平均寿命、再治療の目安を解説
原因不明の口臭
自身の口臭が気になっているものの、他人にはほとんど感じなかったり、口臭検査でも陰性と出たりするケースがあります。こういったケースが「原因不明の口臭」です。実際には気にするほどの口臭ではないため、精神的なものが原因である可能性があります。
▶口臭が出やすいタイミングや注意しておきたい口臭については、次のコラムをご覧ください。 私の口ってクサい?口臭は誰にでもある?
原因不明のドライマウス
治療中の疾患や服用薬などによってドライマウスになりやすくなることがあります。一方で、ドライマウスになる明らかな原因が見つからないケースでは、歯科心身症として判断されます。
▶ドライマウスについては、次のコラムをご覧ください。 口腔乾燥症(ドライマウス)とは?症状や原因、治療法を紹介
歯科心身症の治療法
歯科心身症の治療には、心理療法と薬物療法があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
心理療法
心理療法とは、カウンセリングを行うことで症状を緩和させる治療法です。 歯科心身症の患者さんは不快な症状に悩んでいるため、症状自体に意識を集中しやすく、少しの変化を敏感に感じ取りやすい状況にあります。何らかの治療を行った際にも、改善の程度について意識を集中させる傾向が強く、感覚過敏になりやすいです。 心理療法は、この「症状に集中する状態」を緩和するために行います。
薬物療法
薬物療法では、薬を使って精神的なストレスや症状を緩和させることを目的に、主に向精神薬が使われます。薬物療法を始めて1か月程度で不快な症状が緩和する人もいれば、6か月~1年程度かかる人もいるなど、効果が現れるまでには個人差があります。
歯科心身症になったら
顔や顎、口周りに不快な症状がある場合には、まずかかりつけの歯科クリニックを受診して原因を突き止めましょう。原因不明である場合には、歯科心身症の可能性があります。 かかりつけの歯科医師に相談することはもちろん、状況によっては専門医の治療を受けることも考えましょう。
筆者:seeker編集部