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2023/08/29

歯周病と関係のある病気とは?原因と疾患について

歯周病と聞くと、最終的には歯が抜けてしまう病気のことだと考えている人もいるかもしれません。しかし、歯周病は全身性の疾患を引き起こす可能性がある病気です。

今回は、歯周病が原因で病気になる理由と発症の可能性がある疾患についてお伝えします。


歯周病が原因で病気になる理由

歯周病とは、歯垢や歯石に存在する歯周病菌が、歯茎を攻撃することで生じる炎症のことです。この炎症によって作られる毒性物質が、歯茎の血管から入り込み全身に広がることで、さまざまな病気を引き起こすといわれています。

例えば、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病にかかりやすくなったり、妊婦が歯周病になることで早産や低体重児出産のリスクが高まったりといったことが考えられます。

また、口腔内の歯周病菌が気管支や肺へとたどり着き、誤嚥性肺炎を引き起こすことも少なくありません。誤嚥性肺炎は、誤嚥によって肺や気管支に炎症が起こる疾患で、高齢者の死亡原因のひとつともいわれています。


▶歯周病については次のコラムをご覧ください。
もしかして歯周病?こんな症状に要注意




歯周病と関係のある病気

歯周病と関係のある病気には、さまざまなものがあります。ここでは、歯周病が原因で発症する可能性がある病気について見ていきましょう。



糖尿病

歯周病は糖尿病の合併症のひとつといわれています。その理由は、糖尿病の患者さんはそうでない患者さんに比べて、歯周病にかかりやすいということが疫学調査で分かってきているからです。

また糖尿病の患者さんが歯周病にかかると、糖尿病の症状が悪化するというデータもあります。さらに、歯周病の治療を行うことで糖尿病が改善することも明らかになってきました。このように糖尿病と歯周病の関係性は明白です。



心筋梗塞・脳梗塞

心筋梗塞や脳梗塞は、動脈硬化の進行などが原因で引き起こされる病気です。動脈硬化は、食習慣や運動不足、ストレス、喫煙などが原因といわれていましたが、現在は歯周病菌も要因のひとつとして注目されています。

歯周病菌は、動脈硬化を進行させる物質の分泌をうながすことがわかっています。歯周病菌によって分泌が促進される物質によって、脂肪性の沈着物が血管に蓄積し、その後この沈着物が剥がれて、血管をふさぐことで心筋梗塞や脳梗塞を発症してしまうのです。



心誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物が気管や肺に入ってしまうこと(誤嚥)によって引き起こされる肺炎です。口腔内に存在する歯周病菌や虫歯菌を、食べ物や飲み物と一緒に誤嚥することで、細菌が肺や気管支へ侵入し肺炎を引き起こします。


▶誤嚥性肺炎については次のコラムをご覧ください。
誤嚥性肺炎とは?歯科で予防できること




嚥下機能が低下している高齢者は、誤嚥性肺炎のリスクが高いです。誤嚥性肺炎を予防するためにも、丁寧な口腔ケアを心がけましょう。


▶在宅介護で家族ができる口腔ケアについては、次のコラムをご覧ください。
在宅介護中でも歯科治療はできる



低体重児早産

一般的に、妊娠すると歯肉炎にかかりやすくなります。歯肉炎とは、歯茎に炎症が起こる病気で、歯周病の前段階のことです。

妊娠終期は、エストロゲンやプロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量が、月経時の10~30倍になります。

  • エストロゲン:特定の歯周病菌の増殖を促す

  • プロゲステロン:炎症の元となるプロスタグランジンの分泌を促す
  • 女性ホルモンには上記のような作用があるため、妊娠中~後期は妊娠性歯肉炎にかかりやすくなります。


    ▶歯肉炎については次のコラムをご覧ください。
    歯茎が腫れている?放置してはいけない歯茎の変化




    さらに歯肉炎や、歯肉炎が進んだ歯周病などが原因で、早産のリスクが高まることも知られています。妊婦が歯周病にかかると低体重児早産となる可能性もあるのです。

    歯周病菌は、歯茎や口の血管から侵入し、胎盤を通して胎児に直接感染する可能性もあります。さまざまなリスクを防ぐためにも、妊娠中はとくに意識して歯周病予防に努めることが大切です。


    ▶赤ちゃんとプレママのためのお口ケアについては、次のコラムをご覧ください。
    赤ちゃんとプレママさんのためのお口ケア



    歯周病に関係する病気を予防するためには

    歯周病には歯を失うリスクがあるだけでなく、全身に影響する恐れもあります。健康を維持するためには、歯周病の早期発見・早期治療が大切です。歯茎の腫れや出血などの症状がある場合は、早めに歯科クリニックを受診し、相談するようにしましょう。



    →歯茎の腫れ、出血の治療が得意な歯科医院選びはこちらから



    筆者:seeker編集部

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