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2023/12/21
口腔ケアが肺炎予防に!?自宅でできる肺炎予防とは
口腔内に住み着いている細菌が、肺炎の原因になる可能性があるのをご存じでしょうか。 だ液には、たくさんの細菌が住んでいます。そのため、だ液が気管支や肺に入り込むことで肺炎にかかる可能性が高まります。口腔内の細菌が増えすぎないように口腔ケアを行うことは、肺炎予防につながるのです。 今回は、口腔ケアが肺炎予防になる理由と、肺炎予防につながる口腔ケアについてお伝えします。
口腔ケアが肺炎予防になる理由
口腔ケアを正しく行うことで、口腔内の細菌の数が減り、肺炎予防につながります。 ここでは、「口腔内の細菌の数」と「高齢者の誤嚥」の2点から口腔ケアが肺炎予防につながる理由を解説します。
口の中には細菌がたくさんいる
口腔内にいる細菌は約600種類。だ液1mlあたりに100万~1億個の細菌が含まれているといわれています。だ液が1滴でも気管や肺に流れてしまうと、大量の細菌が増殖し、炎症が起こってしまうことがイメージできるでしょう。 特に、子供や高齢者は細菌と戦うための免疫力が弱い傾向にあるため、肺炎にかかるリスクが高い傾向にあります。体調管理に加え、日頃から正しい口腔ケアを行うことで、肺炎予防につながるのです。
高齢者の誤嚥による肺炎の予防につながる
高齢者の肺炎のうち、7割以上が誤嚥性肺炎といわれています。誤嚥性肺炎とは、口の中の細菌が、だ液や食べ物と一緒に肺や気管に入り込むことで起こる肺炎のことです。 高齢者は誤嚥を起こしやすいため、よりしっかりと口腔ケアを行い、口腔内を清潔に保つ必要があります。
▶誤嚥性肺炎については、次のコラムをご覧ください。 誤嚥性肺炎とは?歯科で予防できること
肺炎予防につながる口腔ケア
肺炎予防につながる口腔ケアは、大きく「口腔内の細菌を減らすこと」「口腔内を保湿すること」の2つに分けられます。 口腔内の細菌を減らすためには、歯垢と舌苔の除去が必要です。口腔内を保湿するためには、だ液の分泌量を増やしたり口腔内用の保湿ジェルを活用したりするのがよいでしょう。 それぞれについて詳しく見ていきましょう。
歯垢の除去
歯垢にはたくさんの菌が存在しており、その量は1gあたり1000億個にもなるといわれています。歯垢は、長時間取り除かれずにいると、バイオフィルムと呼ばれるヌルヌルした膜をはります。バイオフィルムは、歯垢の状態よりも除去しにくい状態です。 そのため歯垢がついたら、なるべく早く歯磨きなどの口腔ケアを行うことが大切です。歯と歯茎の間に溜まった歯垢は、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使ってしっかり取り除きましょう。 バイオフィルムが口の中に作られると、呼吸器系の疾患をはじめ、さまざまな感染症を引き起こすリスクが高まります。
▶口腔バイオフィルム感染症については、次のコラムをご覧ください。 口腔バイオフィルム感染症について
舌苔をとる
舌苔(ぜったい)とは、舌についた苔のような汚れのこと。細菌や食べかすなどが舌に付着した状態です。舌の一部につくケースや舌全体につくケースなどがあり、舌苔のつき方はさまざまです。 舌苔にはたくさんの細菌が含まれているため、舌用ブラシなどで定期的に取り除くことで、口腔内を清潔に保つことができます。
▶舌のお手入れが必要な理由については、次のコラムをご覧ください。 舌のお手入れが必要な理由とは?ケア方法を紹介
だ液の分泌量を増やす
だ液には、歯の表面に付着した食べかすや歯垢を洗い流す効果があります。また、食べ物をかみ砕いたり飲み込んだりするのを補助したり、口腔内を保護したりするのも、だ液の役割です。 そのためだ液を増やすことで、口腔内の環境を整えるだけでなく、誤嚥による肺炎の予防効果が期待できます。口周りのマッサージや舌の体操などを行うことで、だ液の分泌量が増えやすくなるでしょう。
▶だ液の役割やだ液を増やす詳しい方法については、次のコラムをご覧ください。 唾液の役割って? 唾液には驚くべき効果がある
保湿ジェルを使う
だ液の分泌量を増やすのが難しい場合には、口腔内用の保湿ジェルを使用するのもひとつの方法です。保湿ジェルを使用することで乾燥による細菌増殖が緩和され、誤嚥性肺炎のリスク軽減が期待できます。
▶お口が乾燥することのデメリットについては、次のコラムをご覧ください。 お口の乾燥はデメリットばかり!防止策が知りたい!
口腔ケアをしっかり行い肺炎を予防しよう
肺炎を引き起こす原因のひとつに、口腔内の細菌があげられます。口腔内の細菌を減らすことや口腔内の乾燥を防ぐことを意識し、口腔内環境を整えることが、肺炎予防に有効です。口腔ケアをしっかりと行い肺炎を予防しましょう。
筆者:seeker編集部