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2024/05/23

30代で起こりやすいお口のトラブルとは?

30代になると少しずつお口の中も老化が始まります。仕事や子育てなどの忙しさから、疲れやストレスを感じることも多いのではないでしょうか。

今回は、そんな30代で起こりやすいお口のトラブルと対策についてお伝えします。



30代で歯周病が原因で歯を失うことも?

令和4年に厚生労働省が実施した調査によると、「30代の3割以上の人に4mm以上の歯周ポケットがある」とわかりました。歯周ポケットの深さが4mm以上になると、ブラッシングだけでは歯垢の除去が難しく、初期の歯周病と判断されます。

つまり、この調査結果は30代の3人に1人以上が歯周病にかかっているということを意味しているのです。

歯周病で歯を失ってしまうのは高齢になってからと考えがちですが、30代でも歯周病で歯を失うことがあります。歯周病を予防するためには、習慣を見直し、歯垢をなるべく残さない歯みがきの方法を身につけることが大切です。

歯周病は初期の段階では自覚症状がないことが多いといわれています。歯周ポケットの深さは自分ではわからないため、歯科医院で専門の器具を使って測定してもらうことが必要です。

歯周ポケットが深くなる前に適切なケアをすれば、回復する可能性が高まります。定期的に歯科検診を受けて歯周病の早期発見につなげましょう。


▶歯周ポケットについては、次のコラムをご覧ください。
歯周ポケットとは?深くなる理由とケア方法を紹介


▶歯周病予防に効果的な歯みがきについては、次のコラムをご覧ください。
歯周病予防に効果的な歯磨きと生活習慣


参考資料:厚生労働省 「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」



30代で起こりやすい歯周病以外のお口のトラブルとは?

次に、30代で起こりやすい歯周病以外のお口のトラブルをみていきましょう。


むし歯

8020推進財団の「第2回 永久歯の抜歯原因調査」によると、30代で歯を失った人の原因で1番多いのは「むし歯」でした。むし歯で歯を失うということは、重症化するまで治療しなかった(治療できなかった)ということでしょう。

たとえば、「一度虫歯の治療を終え、被せ物をしていた歯が再度虫歯になった。しかし以前の治療で神経を抜いていたため痛みがなく、気づかなかった」ということもよくあります。

30代のむし歯が悪化してしまう原因として、次のことが考えられます。

  • 食生活が変化した(嗜好品をこのんで摂取する、家事や仕事の合間に何かをつまむなど)
  • 疲れや睡眠不足で免疫力が低下していた
  • 口腔ケアに時間をかけられなくなっていた
  • 忙しくて歯科検診を受けられなかった

  • 30代は、これまで続けてきた食生活や生活習慣の影響が出始めるころです。この時期に歯に悪い習慣を見直し、なるべく歯科検診を継続するようにしましょう。


    参考資料:公益財団法人 8020推進財団「第2回 永久歯の抜歯原因調査 報告書」


    歯肉炎

    歯肉炎は歯周病の初期の段階で、歯肉にのみ炎症がある状態のことです。年代に関わらず歯肉炎にかかっている人は多く、30代でも注意が必要なお口のトラブルのひとつです。

    歯肉炎の段階で適切な歯みがきをして歯肉の炎症がおさまれば、歯周病へ進行せず、元の健康な状態に戻る可能性があります。歯肉の腫れや出血など気になる症状がある場合は、歯科医院で早めにみてもらいましょう。

    お口の中を清潔に保つ、唾液の分泌を促す食品を摂取するなど、歯肉の炎症を抑えるためのセルフケアも取り入れるとよいでしょう。



    口臭

    30代になると口臭が気になり始める人も多いのではないでしょうか。口臭の原因のほとんどが「舌苔(ぜったい)」と「歯周病」です。


    30代でお口の老化が徐々に始まっているとお話ししましたが、唾液を分泌する唾液腺も加齢の影響を受け、唾液の分泌量が減ってきます。加齢以外に30代で唾液の分泌量が減少する原因には、下記のようなものがあります。

  • 早食い、よく噛まないなどの食習慣がある
  • ストレスで交感神経が優位になっている
  • 慢性的な疲れや睡眠不足で免疫力が低下している
  • 生活習慣などを見直すだけで口臭を改善できることもあります。すぐにできそうな対策を下記に紹介します。

  • ゆっくり噛んで食べるように意識する
  • 疲れをためないよう睡眠をしっかりとる
  • こまめに水分補給をする
  • 取り組みやすい対策から始めてみましょう。


    ▶舌のお手入れについては、次のコラムをご覧ください。
    舌のお手入れが必要な理由とは?ケア方法を紹介



    30代の口腔ケアが大切といわれるのはなぜ?

    自分の歯で生涯おいしくご飯を食べるには、健康な歯をなるべく多く残すことが大切です。しかし、年齢を重ねていくにつれ、健康な歯を維持することが難しくなります。

    日本人が歯を失う主な原因は、むし歯と歯周病です。なかでも歯周病は歯を失うだけでなく、心筋梗塞や糖尿病などさまざまな全身疾患の誘因になるともいわれています。

    お口の機能低下が始まる30代から適切な口腔ケアを続けることは、長く健康な歯を維持することに加え、全身疾患を防ぐためにも大切なことなのです。



    定期的な歯科検診で生涯健康な歯を目指そう!

    むし歯や歯周病は初期の段階では自覚症状がないことが多いです。痛みや歯肉の腫れ・出血の症状が出てからでは、病状がかなり進行してしまっていることもあります。

    むし歯や歯周病を早期に発見するためには、定期的な歯科検診が欠かせません。30代のうちに頼りになる「かかりつけ歯科医」を見つけておくと将来的にも安心です。年齢を重ねても歯とお口の健康を保てるよう、ぜひ30代のうちにその土台作りをしてください。




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    筆者:seeker編集部

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