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2023/04/18

口腔内を正しくケアし、口内フローラを整えよう

「腸内フローラ」という言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。実は口に関しても「口内フローラ」という言葉があり、口内フローラは全身の健康と深い繋がりがあると言われています。今回は口内フローラが身体に与える影響や、セルフケアの方法について解説します。


口内フローラとは

口腔内にも腸内と同じように、善玉菌・悪玉菌・日和見菌が混在しており、このような細菌の集合体を「口内フローラ」と呼びます。悪玉菌が優勢となって口内フローラのバランスが崩れると、身体にさまざまな影響が出ると言われています。



口内フローラのバランスが崩れる原因

口内フローラのバランスが崩れる原因の一つは、歯磨きが不十分であることです。口腔内に汚れが溜まると細菌の繁殖が進み、口内フローラのバランスが崩れてしまいます。

また、悪玉菌は糖質をエサとするため、白米や砂糖といった炭水化物を摂取しすぎることも、悪玉菌の活性化につながってしまいます。



さらに、唾液の減少も口内フローラのバランスを崩してしまう原因です。唾液には殺菌効果があり、口内フローラを正常に保つために大きな役割を果たしています。

しかし唾液は、加齢やストレス、口呼吸などが原因で減少することがあります。唾液の減少により自浄作用や殺菌作用が低下すると、悪玉菌が優勢となり、さまざまなトラブルが引き起こされてしまうのです。



口内フローラのバランスが崩れることで身体にはどのような影響がある?


虫歯

口内フローラのバランスが崩れ、悪玉菌が増えると虫歯になりやすくなります。主に虫歯の原因となるのは「ミュータンス菌」という悪玉菌です。ミュータンス菌は、歯磨きで落としきれなかった糖分を分解してプラーク(歯垢)を作り、酸を出して歯のエナメル質を溶かします。この状態が続くことで歯に穴が開き、虫歯ができます。



歯周病

口内フローラのバランスが崩れると、歯周病になるリスクも高まります。歯周病は、プラーク内で増殖した悪玉菌が毒素を産生し、その毒素が原因となって歯茎の腫れや出血を引き起こす病気です。歯周病が進行すると歯槽骨を破壊し、歯を失う原因となってしまいます。


▶歯周病についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
もしかして歯周病?こんな症状に要注意




口臭

口内フローラのバランスが悪いと、口臭も強くなりやすいです。そもそも口臭の原因の一つは、口腔内の常在細菌が、食べ物の残りかすなどを分解するときに発生するガスであると言われています。口臭の強さは、口腔内の汚れや唾液の分泌量以外に、口腔内の常在細菌の種類やバランスなども関係すると考えられています。


▶口臭についてはこちらの記事もご確認ください。
私の口ってクサい?口臭は誰にでもある?



誤嚥性肺炎

口内フローラのバランスが崩れることで、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。

口腔内の清潔が保たれないと、口内フローラのバランスが崩れ悪玉菌が増加します。そうなると、唾液を飲み込むときに歯周病菌などの悪玉菌を一緒に飲み込むことになってしまうでしょう。

健康な状態なら、飲み込んだ唾液や細菌は胃に入り、胃液などで殺されます。しかし、嚥下機能が衰えると、飲み込んだ唾液や細菌が誤って気管や気管支の粘膜、肺に達することがあり、そこで炎症を引き起こして誤嚥性肺炎になってしまうのです。

誤嚥性肺炎は嚥下機能の低下した高齢者などで罹患リスクが高く、重症化すると命にかかわることもあります。



糖尿病

口内フローラのバランス悪化のため歯周病が進行すると、炎症を招く物質が血液中に入り、全身を巡ります。これらの物質は体の中で血糖値を下げるインスリンの作用を低下させるため、糖尿病が発症・進行しやすくなるのです。



脳卒中・心筋梗塞

口内フローラのバランスが崩れ歯周病が悪化すると、口腔内の歯周病菌が血管内に侵入して血栓を作ることがあります。その結果、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすリスクが高まってしまいます。




口内フローラのバランスを整えるためにセルフケアでできること


丁寧な歯磨き

口内フローラのバランスを整えるために重要なケアは、丁寧な歯磨きです。一本一本の歯を丁寧に磨くことはもちろん、歯と歯の境目などの汚れが溜まりやすい部分は、特に意識して磨くことが大切です。

歯ブラシに加え、デンタルフロスや歯間ブラシも使い、しっかり汚れを落とすようにしましょう。特に睡眠中は、唾液の分泌が低下して細菌が繁殖しやすくなります。口内を清潔にしてから寝るよう心がけましょう。


▶歯磨きの効果的なタイミングについてはこちらの記事をご確認ください。
いつ歯みがきするのがいいの?ベストなタイミング



ドライマウスの予防

先述した通り、唾液には口腔内を清潔に保つ役割があります。唾液の分泌量が減少して口腔内が乾燥すると、口腔内の自浄作用が低下します。この状態が「ドライマウス」です。ドライマウスになると、歯周病が進行しやすくなります。

口腔内の乾燥が進む前に、鼻呼吸や口のストレッチ、唾液腺のマッサージなどを意識的に行い、できるだけ早めに対処するとよいでしょう。


▶ドライマウスの症状や対策についてはこちらの記事もご確認ください。
お口の乾燥はデメリットばかり!防止策が知りたい!



歯科クリーニング

ブラッシングは人によって癖があるため、どんなに丁寧に歯を磨いているつもりでも磨き残しが発生してしまいます。ここで重要なのは、磨き残しを放置しないことです。

そのためには、歯科検診や専門的なクリーニングを定期的に受けることが大切です。歯科医院では、磨きにくい部分のケアや、正しいブラッシング方法を教えてもらえるので、セルフケアにも活かせるでしょう。

→予防・メインテナンスが得意な歯科医院選びはこちらから



筆者:seeker編集部

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